第6話 ゴブリンの巣

メンバーが集合した。


1.魔法使いさん 暫定師匠、チャラい。俺の右手が的な言動

2.スパイスさん 女子力高い、前衛剣士。

3.星矢 いちいち偉そう。前衛剣士。

4.仮面の人 草の人。前回は草しか抜いてなかった。

5.友人 戦うのを早々に諦め、駆け出しヒーラー。

6.僕 駆け出し魔法使い。狼にだって勝てますよ?


ゴブリンが大量に出るとのことで、怪我をした時の為に駆け出しヒーラーの友人は

多数の包帯を用意していた。ゴブリンは他の獣型のモンスター達と違い、その手に剣や盾をもって襲いかかってくる。

そのダメージ量は序盤の敵達の中では頭一つ抜きん出ている。一撃喰らえば瀕死、二撃続けて喰らえば天国行きだ。

一撃で受けた怪我を治療してくれるのが包帯だ。


最初の一部屋を終え、僕はミイラ男状態だ。

獣共と違い安直に攻撃をすると、盾で攻撃を防がれその直後に強力な攻撃を浴びてしまう。

相手の呼吸を読み、使って入るスキルを察知した上で攻撃に挑むことが必要なのである。

そしてそれができない初心者には避けようのない絶望が待ち受けている。


魔「ぷーくすくす。」

星矢「やられすぎだろ…」

スパイスさん「ま、まぁ最初はそんなもんだよ。(笑」

仮面の人「… … 贅沢に布を使ったな。」


スパイスの人以外初心者に優しさが足りねーよ。

ていうか武器を使うとは聞いたけど、弓まで使う奴がいるなんて聞いてないんですけど?

あとウチのギルド遠隔攻撃できるの魔法使いの人だけやんけ。

ワンチャン仮面の人が弓でも使えるのかと思ったら、取り出したのは斧だったし。てか仮面に斧とか。

最終的に武器での攻撃を諦めて魔法に切り替えてからはだいぶ安定したけど早くもガス欠なりそう。


スパイスさん「こういう敵の攻撃力がそこそこあるのにHPが低めの敵の時は相手の力を使うスキルがいいよー。」


そういってスパイスさんはカウンタースキルを使ったゴブリンの立ち回りを教えてくれた。

今決めたこの人が俺の師匠だ。魔法使い?しらん。あいつ笑ってるだけだったし。


2部屋目からは教えてもらった立ち回りでだいぶ安定しだしたが、油断をするとまで簡単に吹き飛ばされる。

周りを見る余裕もでてきて、他の人の立ち回りも学びつつ一部屋一部屋と歩を進めていく。

道中の廊下には始まりのダンジョンにはなかったミミックらしき敵もおり、囓られた。


全三階層でできているこのダンジョンの一階層を突破し二階層に行くとより高位のゴブリンがでてきた。

毒々しい色に、より強い攻撃力をもったポイズンゴブリンだ。

その一撃を食らうとダメージの他に毒に罹患することもある。

一階層よりも慎重に敵と対峙し、1:1の状況を作り出すことに専念する。加えて1:2の状況に追い詰められたら

必殺の”死んだふり”スキルを使い、敵の目を欺くことにした。

この死んだふりは相手の注意こそ外れないが、一旦は攻撃が止まる超有用なスキルでその間に仲間の援護を待つという

超他力本願なスキルだ。この力があればゴブリンなど恐るるに足らず。←


二階層は一階層より短く、スムーズに抜けることができた。

そして続いて三階層に入ると最終階層らしさを増し、敵の数と弓使いの数が増えて来た。

すると仮面の人が武器を斧から弓、というかクロスボウに持ち替えた。使えるのかよ…。

仮面の裏の表情は見えず、背中には斧。恐ろしい。完全にホラーだ。


遠距離攻撃をするメンバーの増加により、弓矢使いのゴブリンが増えても安定して部屋をクリアしていく

我らギルドメンバー一行。むしろ一階層より順調まである。

そしてこのダンジョンのボス部屋の前までたどり着いた。


魔「ここでは俺の力はあんまり通じないから、みんな頑張れよ。」

僕「なんでですか?」


魔「ここのボスはね、魔法で作られたゴーレムで高威力の攻撃か、威力特化の魔法じゃないとダメージがなかなか通らねーんだよね。だからここ嫌い。」


ゴーレム。色々なゲームに出てくるガーディアン的なポジションのモンスター。

このゲームにおいての初めての邂逅は目前だ。

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