第42話  カクヨム戦線異状あり16 新防御システム

 五大勢力は異世界侵略軍を中心に右翼に魔王軍とあやかし軍、左翼に宇宙人と未来人を配して、寡兵のラブコメ軍を包み込むようにして迫ってくる。いわゆる鶴翼の陣というやつだ。


 ラブコメ軍は十倍する敵の圧力に良く耐えていたが、このままでは敵に包囲されてしまうのは時間の問題である。私小連隊長はついに決断を下した。


「新防御システム『ノベル0 Ⅱ』発動開始!」


 すかさず文豪軍曹がシステムをオンにする。


「お――。敵の中心の進軍が完全にストップしたぞ」

 システムが作動するやいなや、隊長が興奮気味にそう叫んだ。


「隊長。右翼も左翼も全体の八割方がストップしているようです。バリアを突破して来るのは、残りの約二割だけではないでしょうか?」

 軍曹も隊長に負けず劣らず興奮していた。


 四大勢力の二割だけが相手なら、ラブコメ軍単独でも十分に対抗できると踏んだのだ。


 新兵器研究所の開発した新防御システム『ノベル0 Ⅱ』は、取り扱い説明書通りの効果を発揮したのである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る