42:馬鹿な自分とニート日記(短編)


馬鹿な自分とニート日記


 宇宙の不思議を考えるのと同じぐらいになぜ自分が此処にいるのかと考えることは難しいことだ。

 別にこの家の家族として生まれ、今やることが無くこの部屋にいるということを問いたいわけでは無い。


 この世界は謎すぎるのだ。

 テレビのバライティを見ていて何時も思う。

 狂った人間のふりをした奴らは何かの演技をして、なぜそれが面白いのかと。

 人間が本当に狂ったというのはどちらかというとニュースにあげられる人間たちのことを言うんだと思う。


 今の人生を苦に思い、理性というリミッターを外してしまった人間こそが狂っていて本当に面白いと思う。



 家に篭ってもぅ何年か経つが、その生活の中で社会性を失い、理性を忘れかけてしまった自分もそんな人間と同じくおそらく面白い人間なんだろうか。

 いや、そうなりかけていたと今は言っておきたい。

 これから始まるストーリーは理性を無くしかけてた私こと渚1号が社会に出る上で困ったことを話していきたい。



 久しぶりに家から出たわけじゃない。ほとんどの時間、自宅の誰も起きない時間にしか行動しない自分にとって昼の時間に行動をしなくてはならないって事は約半年ぶりでとても苦痛なことなのだ。

 何故私がこんな時間に動かなくてはならないかというと、母親の頼みでだ。

 東京某所にある母方の父の墓参りで今日が父が死んだ命日らしい。

 両親とも共働きであり、デザイン関係の仕事をしている母にはほとんどと言って良いほど休みがない。


 どうしても、この日にお墓参りをしたかった母の代理を任されたということになる。

 春の陽気は暖かくも寒くも無く普通という感情しか与えない。

 とにかく、実家から出て最寄りの駅に向かうのであった。


 朝のラッシュ時を過ぎた駅のホームは少しの人間だけしかいない。

 電車に乗る前にホームにある自販機でジンジャーエールを買い、上り電車に乗る準備を整えた。

 耳にはヘッドホンを付け、マスクをして、リュックには暇を潰せるだけのゲームや小説が入っている。

 そういう物は大抵使わないのだが、長時間自分の家から離れざるおえない場合、使わないと分かっていても持ってしまうのだ。


 5分待たないぐらいに東京方面に向かう電車は来た。

 昔の携帯の着信音のような音が少し懐かしく聞こえる。

 一応、そんな私も何年前かはこの電車を使い花の大学生活をしていたのだ。

 何故大学を辞めたかははっきり覚えていない。

 ただ、大学生活に夢がなかった。


 あの時の自分は将来やりたいことなど無く、毎日バイト、合コン、カラオケ三昧の日々を送っていた。

 そのままじゃ卒業出来ないと気づいたのは大学2年の後期の時、辞めたのは3年の


 夏休みの時だった。

 辞めてからは何年経つか覚えていない。

 いや、逆算すればわかるのだが、分かろうとも思わないワケだ。

 がちで怖い。


 とりあえず、今は24歳とだけ読者に伝えておきたい。


 秋葉原駅で乗換えがあり、電車で約1時間の時間を過ごすには携帯さえあれば事足りるほどであった。


 通勤ラッシュを過ぎた時間に来て良かったと思えるところは人が少ないところかもしれない。

 真ん中ほどの車両にいる人間は数えれるほどしかいない。

 端の席を取り、それから何をしたいかを考えた。


 何もする事のない時はTwitterか2chのニュー速を見ると決めている。

 しかし、何もする事など無く確実と言っていいほど携帯を弄ることになるのであった。

 電車に揺られる体を左の柱で抑えながら、ニュースを見ていく。

 何やら最近は面白い事がないな。

 非生産的なことばかしが身につき、時間を経過が早く感じる。


 考えたりするのが面倒で、本能で行動をすることが多くなった気がする。

 例えば、男の人間がエロ画像や女の裸を見たらどうすると思う?

 俺は。、俺だったら、。


 あれ。。?

 私は何時の間にかに電車の中だといるのに片手が股のズボンへと向かっていた。

 目の前を見るとかなり歳を取ったオバさんが私の足元を凝視しているように感じた。


 その時、私は気づいたのだ。

 家の中で引きこもり生活を続けていた私はその生活の中で誰にも気にされることなく理性を忘れて生きていた。

 その中で私は頭脳を使わず何も気にせず生きてきたのだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る