蝶
ひらひら
ゆらゆら
私は風に舞って
この地面に居眠りするわ
そっと瞳を閉じて思い描くのは
あぁ 、あの人
色褪せることのない
記憶にキスをして
一滴の涙
冷たい土が拭ってくれる
あの人の肩にそっと触れたのは
いつのことでしょう?
あなたは静かに
ふっと微笑んで
何も言わずに
肩を貸してくれました
私はそっと羽を休めるふりをして
あなたの横顔見つめ続けました
ずっとずっと
そっとそっと
このまま時が
止まればいいと……
静かに吹く風に促され
私はあの空に帰ります
あなたは静かに微笑んで
私を見送りました
その優しい瞳を
忘れた日など一日もなかった
あなたが望むなら
あの大空を捨てて
虫籠の中で舞う
蝶になってもいい
あなただけに見つめられるなら
この羽も本望でしょう
今度生まれ変われるなら
あなたの温かい腕に抱かれて
あなたの瞳に見守られて
永遠の眠りにつけたらいいのに
今日一羽の蝶が
道の端で土に埋もれて
永遠の死にキスをする
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