幻想職人譚
白馬 黎
魔石の彫金師
耳に当てると風の音のするターコイズ、触れると幻を見せる真珠、行きたい場所を言うと羅針盤のように道を示すスタールビー。魔石彫金師アリエナはその中から万華鏡のように絶え間なく色を変えるオパールを取り出すと、今まで作っていた石座にあわせた。
石座はぴたりと合っていたがアリエナは溜息をつき、石座のわきにつけていたダイヤモンドの小粒を外し始めた。時間をかけて作ったダイヤモンド枠をすっかり解体してしまうと、もう一度オパールを合わせる。アリエナは満足げにうなずくと木槌をとってオパールを固定し始めた。六本の爪を慎重に曲げていく。一本、二本……。
「さぁて、力を開放してごらん。気に入らないところがあったら教えておくれ」
呼びかけに応え、オパールは火傷やタコだらけの節くれだったアリエナの手指を優しく照らし始めた。傷が癒え、どんどん滑らかさを取り戻していく手にアリエナは微笑み、作り上げたリングをきゅっと手で覆って魔力の放出を止めると微調整を始めた。小さなヤスリで銀を削り、石座の爪の角度をほんの少し変える。それから布をとって丁寧に丁寧に磨き上げる。
アリエナは魔石彫金師だ。銀をなまし、この不思議な力をもつ宝石に見合う装飾品を作りつけるのが仕事。同じオパールの魔石といえど、その性質は一粒一粒違う。ダイヤモンドを傍につけると落ち着く魔石、嫌がる魔石。また作られてから時を経て人の求めに応じ力を出すことに馴染んでくると、もともと合っていた装飾でも違和感が出てくることもある。この傷を癒すオパールもそうだった――。
ダン、ダン。
扉を開ける前から男のものとしれる重いノックに集中を破られ、アリエナはしかめっつらをドアに向けた。
「きっとこのオパールのご主人だ。やれやれ、せっかちな人だね」
よいしょ、と長時間同じ体勢で作業していたために痛む腰を伸ばして立ち上がる。
「……アリエナ、どうも客じゃなさそうだ。嫌な感じがする。出ないほうがいい」
返事をしようとしたアリエナの耳元に、急に男の声がした。押し殺したような警告の声――工房にはアリエナひとりしかいないにも関わらず響いた声に、アリエナは軽く笑ってみせた。
「心配ないさ。どうぞ、開いてるよ」
「アリエナ・チャーマーだな?」
ドアを開けるなり剣呑な声をかけてきたのはサーベルを下げた軍人だった。事前の警告通り、見るからに客ではなさそうだ。
「いかにも私がアリエナだ。そういうあんたは名乗ってくれないのかい?」
「ファーマー伯近衛隊、ドン・ロベルト。主の命を受けここへ来た。このブローチを彫金したのはお前だな? この工房の印が入っている」
軍人はポケットから取り出したものをアリエナに向けて差し出した。
アリエナは眉をひそめた。軍人の武骨な手の上にあらわれたのは、帆船と錨の紋章の入ったブローチ――ブローチだったもの。アリエナの記憶では、ブローチの中心には大粒のサファイヤがはめこまれていたはずだ。その石を狙って何度も何度も金槌で殴ったのだろう。原型をとどめぬほど無残に壊されている。
「たしかに私が彫金したものだ。どうしてこの石を砕いたか教えてもらえるかい?」
「この石の魔力で死人が出た。一緒に来てもらおう。お前を魔女とみなし、裁きの場に連れて行く」
「裁きだって? 私がこれを彫金したのは二十年前なんだけどね」
「言い訳は法廷でするんだな」
傲慢な態度にアリエナは唇の端を吊り上げた。
「あんたの態度からするに法廷でも聞いてくれるとは思えないけど。わかった、でもひとつだけ条件を出させておくれ。身辺整理のために三日の猶予をもらえるかい? 逃げも隠れもしないからさ」
「立場をわきまえよ! お前に選択肢があると思うか!」
「さて。それはあんた次第だ」
不意にアリエナがさっきまで握っていた木槌がカタカタ音を立て始めたと思うと、ビュウッと軍人に向けて飛んだ。ぎょっと息を呑んだ軍人の背後で掃除道具棚が箒やバケツを派手に撒き散らしながら倒れかかる。
「私は腹の中にいくつか魔石を呑んでいる。どうしても手に負えない暴れ者の魔石をこの血肉と命とで縛っているんだよ。私に何か無理強いしたいなら腕のいい祓魔師を連れてきてからにしな!」
軍人がサーベルの柄に手をかけた。が、アリエナのほうが早い。鏨たがねの鋭利な切っ先が軍人の首すれすれに浮いている。
「三日後に来な。それまでは邪魔しないでおくれ」
軍人はアリエナに唾を吐きかけると表へ飛び出した。
ばたん、と軍人が開けっ放しにしていったドアがひとりでに閉まり、かんぬきが鼻息荒く閉められた。
「やれやれ。ありがとう、ロバート。あんたが透明人間で助かったよ」
「なんだよあいつ、いちゃもんにもほどがある! 罪に問われるのはどう考えても使った人間だろ。百歩ゆずって魔石が悪いにしても、二十年も経てば魔石の性格が変わるなんざ当然じゃないか!」
鏨を振り回しながら気炎をあげる姿なき男にアリエナは苦笑してみせた。
そう、この工房には透明人間がいるのだ。彼、ロバートがアリエナの工房に弟子入りして五年。なんでも「手違いで魔石を呑んだ」とかで、来たときから体がなんとなく透けていた。それでも顔かたちくらいはわかったのだが、三年経つころには完全に透明になってしまった。
「さすがにそれだけの理由では引っ張られないさ。そんなことをしていたらこの国から彫金師がいなくなっちまう。たまたま短気なお偉いさんのところで魔石が暴走して、私にとばっちりがきたというだけ。私が『妙な術を使う』ってことで煙たがられてるのもあるだろう」
「とりあえず逃げなきゃ。三日後に来いだなんて縁起でもない。本気じゃないだろうね?」
「本気だよ」
ロバートは絶句したらしい。鏨が宙でぴたりと止まった。アリエナは黙って鏨をとりあげ、その透明な手を握りしめた。
「逃げる気はない。……どちらにせよ私はそろそろ死ななきゃならないからさ。私が死んで喜ぶ人間がいるなら、喜ばせてやるつもりだよ」
*
「リングのゆがみはほとんどないな。蔓草模様も言うことなしだ」
十四歳のアリエナはぱっと顔を輝かせた。性格こそ穏やかだが彫金のこととなると別人のように厳しくなる父――マエストロ・スティーヴの口から手放しのほめ言葉が出るとは思わなかったのだ。アリエナはまだ商品を作っていない。スティーヴのチェックの後は石を丁寧にはずし、地金も全部溶かしてしまう。これはもしや……。
「だが、お前にはまだ石の心がよくわかっていないようだ」
アリエナはうなだれた。アリエナは物心ついて以来この工房で働いている。地金をリングに加工することを教わってからは六年、それでも何も売り物を作れないのは辛かった。
「この石は一番美しいところが端にきすぎている。こっちは石座が主張しすぎだ。これはただの宝石だからいいが、魔石で同じことをやればへそを曲げて上手く力が引き出せなくなる」
魔石の前にアリエナがへそを曲げかけているのがわかったのだろう。スティーヴはほほえむと、ダイヤモンドのペンダントをアリエナに渡した。
「アリエナ。好きなものを作ってみないか」
ダイヤモンドは護符だ。スティーヴもペンダントをつけると、工房の隣にある大理石造りの巨大な、工房とほぼ同じ大きさもある魔石庫へ入っていった。
スティーヴが魔石庫に入るなり一匹の黒猫が尻尾をぴんと立てて嬉しげにまとわりついてきた。この魔石庫の番人、猫に変身する黒曜石だ。スティーヴは軽く猫の頭をなで、それから並べられた色とりどりの魔石を見回した。
「これからお前は職人になる。時間も資金も自分のために使えなくなる。だからこんなことはこれ一度きりだ。ここにある石からひとつ選んで、お前自身のために好きなものを作れ」
ダイヤモンドを渡したときとは別人のような険しい声で言い放つと、スティーヴはきびすを返して魔石庫を出て行った。
「それって、つまり……?」
最終試験だ。アリエナは黒猫をぎゅっと抱きしめた。
アリエナは悩んだ。スティーヴの課題は「石の心がわかること」。どこをどうすればわかるだろう?
アリエナは少し迷ってから気心の知れた黒曜石を手に取り、ためしにリングの地金をあててみた。とたん黒曜石は黒猫に変身、シャーッと激しくうなるやいなや派手にひっかかれてしまった。
ずっと裸石に台座だけの状態だったから綺麗にしたいと思っていたのに、黒曜石にとってはこのままの方がいいらしい。アリエナは彫金が怖くなった。黒曜石は自分で嫌だとアリエナに伝えられた。けれどほかの魔石は? もしアリエナが魔石の意思に沿わない形で魔石を加工してしまったら。スティーヴのもとにはよく手に負えなくなった魔石が持ちこまれる。大概は装飾が合わずに癇癪をおこした魔石だ。
それから何個もの魔石を手に取ったが、結局デザインを描く以上のことはできずに終わった。何日も悩んだあげく、アリエナは魔石であるとわかっているもののまだ力を発現していない水晶を選んだ。心がわからないなら心が定まっていない石を使えばいい。苦し紛れにそう考えた。つまり、なめていたのだ。この水晶を。
アリエナは後に知ることになるが、ある程度魔石としての性質が定まった石は好みがはっきりしている。だから黒曜石のように嫌な装飾ははっきり嫌だと言えるのだが、性質の定まっていない石は自分でも迷っている。そのときは受け入れた装飾なのに翌日になってみればすっかり不機嫌になっている、ということも多い。子供のように飽き性で不安がり。扱いが難しいのだ。
ペンダントからロザリオへ、ブローチへ、髪留めへ。シンプルな銀枠だけのものから他の宝石と組み合わせた華麗なものまで、アリエナは何枚も何枚もデザイン画を描き、何度でも作り直した。黒曜石のときは一度で懲りたのに、なぜかこの水晶のことは諦める気にならなかった。
最初はどんな装飾をつけても嫌がり暗く濁っていた水晶だったが、アリエナが何度も何度も試していると根負けしたのだろうか。ときどき「これならいいな」と言いたげにきれいに澄み渡ったり、ここを変えてほしいと言いたげに一部分だけ暗く濁らせたり、少しずつ自己主張するようになってきた。こうなるとアリエナもすっかり夢中になった。どこへ行くときも水晶を持っていき、どんな装飾がいいか相談しながら散歩するような有様になった。
やがて水晶は蔓草の透かし模様を入れたブレスレットの姿で落ち着いた。ようやく完成したブレスレットを見せると、スティーヴは目にルーペをつけ、真剣に鑑定した。普段の習作とは比べ物にならないほど真剣に。
それから山ほど駄目出しをした。スティーヴの厳しさに慣れているアリエナが耳をふさいで逃げ出したくなるほど容赦なく、こてんぱんに。けれど最後にスティーヴは目に涙をいっぱいためているアリエナの腕にブレスレットをはめると、「大事にとっておけ」と目元をなごませ、年頃の娘に対してあるまじき力強さでアリエナの頭をなでまわしたのだった。
馬に合う鞍をつけろと言ったつもりが娘は馬を調教するところからやりとげてしまった。初めはハラハラしたんだが、これが見事なものでな。親馬鹿と笑うがいいさ。俺の娘は天才だ! その晩、酔っ払ったスティーヴが彫金師仲間に話す声を聞いた。アリエナはぽろぽろこぼれてくる涙をぬぐいながらブレスレットを抱きしめた。
だが、これでアリエナは正真正銘の魔石彫金師になってしまった――スティーヴが重く低く続けていた言葉はこのときのアリエナに届いていなかった。
**
「死ななきゃならないなんて……どうして」
「あんたもわかってるだろう、理由くらい」
アリエナはぶっきらぼうに言うと、急に顔をしかめた。
「アリエナ!」
体を二つに折り、椅子から転げ落ちる。苦悶に顔を歪め獣のように唸るアリエナの腹にロバートは作業机の上にあったダイヤモンドを押し当てた。
「……ふふ、魔石を操ってきた私が次は魔石に操られる番ってわけだ」
ロバートは力の抜けたアリエナの体を抱き上げると、工房の隅にあるソファーにそっと横たえた。
さっきの軍人はアリエナが呑んだ魔石で魔法が使えると思ったはずだ。とんでもない、周りの人間が思っているアリエナの「魔法」は単に気配を殺したロバートが暴れているだけ。アリエナは魔石を押さえつけるので精一杯で、意のままに魔力など使えない。
今までは若さもあって魔石をなんとか押さえていられた。けれどアリエナはもう五十二歳、しかも先日強盗から守るため十三個目の魔石を呑んだばかりなのだ。
「だからやめろって言ったのに」
「どうしようもなかったろう。あれを盗人の手に渡すわけにはいかないさ」
身の内に封じた十三個の魔石は互いに反発しあい、ときには炎を吹いたり牙や爪に変化してアリエナの体を激しく蝕んでいる。ダイヤモンドは魔石の長、全てを平伏させる力があるが強引に押さえつけるのだから反発は免れない。遠からずダイヤモンドを使っても押さえられなくなる日が来る。アリエナが体の内側から引き裂かれる日が。
「私が死んだら魔石は暴れ狂うだろう。私は魔石が大暴れしてもびくともしない場所で殺してもらわなきゃならない。本当はあんたにその役を頼もうと思っていたんだけど、あんたは優しいから。言い出せなかったところに、ちょうどこのお達しがきたというわけだ」
ロバートは黙っている。おそらくは抗議の視線を向けて。
「私は腹の石に限らず、ずいぶん多くの石に恨まれているだろうね。私はさしずめ人買いだ。穏やかに眠っていた石を掘り起こし、その身を削り落として整形し、その魔力を制御するために蔓草や紋章を銀で描いて取り付ける。石にとってみれば隣近所にいた親しい石と引き離され、自らの手指を落とされたあげく、檻の中で見世物にされるようなものだろう。私らもできるかぎりのことはしてるけど、暴れるなとはとても言えない」
「そう思っている人間はあんまりいないよ、アリエナ。魔石は道具だ」
「そうかい?」
アリエナはまっすぐに透明人間の弟子を見つめた。
「私は石が好きだ。石それ自体も、魔石が放つ火花や力を見るのも好きでたまらない。だから魔石彫金師として生きてきたし、これが天職だと思ってるよ。でもね」
アリエナは軍人の放り出していったブローチをじっと見つめた。無残に砕かれ、工房の床に転がったブローチ。それがふわりと宙に浮かび、アリエナのもとへ運ばれてくる。手渡されたそれをアリエナは胸に抱いた。
「生まれ変わったら水晶になりたい」
「……じゃあヴェスヴィダ火山にでも身を投げればいい」
「そうするつもりだよ。処刑人を脅して連れて行ってもらおう」
「本気で言ってる?」
アリエナは答えず、ソファーの脇から紙と鉛筆を取り上げた。
「最後に大切な弟子へのはなむけだ、形見に何か作ってあげよう。炉に石炭を足して銀をなましておくれ。あんたは蔓草の透かし模様が好きだったね?」
ロバートは動かない。アリエナは淡々とデザイン画を描いていく。あのブレスレットと同じ模様を、水晶ぬきで。
***
水晶のブレスレットを完成させたアリエナは翌日から販売用の彫金を任されるようになった。ブレスレットはしばらくアリエナの腕を飾っていたが、やがて貴族の娘に買われていった。むろんアリエナは売りたくなどなかった。これは売り物ではないからと何度も何度も断ったのだが、娘の押しの強さと父親がちらつかせた権力に折れざるをえなかった。
ブレスレットは娘の腕を飾ったが、そのうち飽きられ売られていった。売られたブレスレットは貴族の若者に買われ、娼婦に贈られた。娼婦は受け取ったときは喜んだものの、若者が帰るとすぐ質に入れた。そうしてブレスレットはころりころりと主人を変えた。
そして七人目の主人に売られたときだ――彼に人格が生まれたのは。
七人目の主人、宝石商の奥方はおそろしく太ったご夫人だった。その極太の手首にはめられてはかなわない。指先に血が通わなくなるのはわかりきっているのに、気に入ったからと強引にはめるのに耐えかねた水晶は「やめてくれ」と叫んだのだ。人間の声で、はっきりと。
奥方は卒倒したが、宝石商は売り物になると見た。自分の意のままに、話させたいときだけ話せるようにしようとアリエナの作ったブレスレットから石をはずし、魔石を制御する紋章でごてごてと飾りつけた。がんじがらめにされた水晶は抗議し、あがき、もがき、そうこうするうち怒りを爆発させて人の姿に変身した。そうして、逃げた。
水晶は帰りたかった。自分の生まれたヴェスヴィダ火山に。けれど石に戻っては誰も連れて行ってくれないから、水晶はロバートと名乗り、人として旅を始めた。
けれど、ロバートに備わった魔力には限りがあった。何年も人として暮らし魔力を消耗すると、彼の体は透け始めた。そんな時だ、アリエナに再会したのは。偶然工房のそばを通りがかった。
魔力を回復させてほしい。そう言うつもりでアリエナの工房に立ち寄った。が、アリエナは父であり師であるスティーヴを暴走した魔石の力で喪ったばかりだった。「店はしばらく休みだよ。ほかを当たっておくれ」ロバートが何か言う前にぴしゃりと告げたアリエナの顔にはべっとり隈と涙の跡がはりついていた。彼女はドアの前に立ちふさがって隠すようにしていたが、工房は煤でいちめん真っ黒に汚れ、壁や棚はところどころ崩れて修理もされていなかった。そんなアリエナの様子にロバートは何も言えなくなってしまった。
魔石を呑んだら体が透けた、行き所がなくて困っている。弟子としてここに置いてほしい――。ただこの状態の彼女から離れたくないがためにそう言った。アリエナは信じていないだろう。けれど彼女は工房の奥に戻ると、おもむろに父を殺したガーネットを呑みくだし、「好きにしな」と言ったのだった。
****
アリエナの指定通り三日後、軍人は多くの仲間を引き連れやってきた。アリエナは両手首に縄を巻かれ、軍人に呼ばれてきたらしい祓魔師にさらに縛をかけられて、小突かれながら歩き始めた。
ロバートはいない。いくら体が透明でもアリエナには彼の居所がわかる。宝石に埋もれた一粒の魔石がわかるように。ガラス片にまぎれた一片の水晶がわかるように。けれど工房のどこにもロバートの気配はない。
歩きながら工房を振り返ったアリエナは、ふと足に冷たいものが当たる感触をおぼえて視線を下げた。
「ロバート……」
足首に水晶のブレスレットがはまっていた。――見間違えようもない、あのブレスレットがアリエナが一歩踏み出すたびしゃなりしゃなりと揺れていた。
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