第23話 空でも海でもない青色。


南オリ当日。


誘拐時件は今だ解決にいたっていなかった。警視庁特殊能力捜査班はma粒子の痕跡は見つからなかったというゴミくずにしかならない報告書を捜査本部に提出し、捜査には一切参加していなかった。




選手宣誓の言葉を生徒会長が述べる。


「皆さん、おはようございます。体調はいかがですか。よい天気にも恵まれました。メリハリをつけて楽しみましょう。」選

手宣誓というのはこんなにも長くてたらたらやるものだっただろうか。校長の挨拶と変わらない。盗作疑惑がでそうだ。


生徒会の女子はクスクスと笑い、男子は呆れ顔だ。呆れ顔の生徒会役員からma粒子が出ていた。

生徒会役員も流石にお疲れのようだ。



興味が湧いた。ほんの少し、ma粒子の色が美しかった。今まで見たことのない色。透き通った青。海の色でも、空の色でもない。


人間の探究心は人を殺す。


開会式を終えた私は興味本位であの生徒会役員に触れる。

生で触れない。

もしも、ma粒子が悲痛な記憶を潜ませていたとしたら、私の感受性では、自分が死んでしまう。

だから、澪陰の色(能力)を使わせて、守ってもらい感受性を半減させた。



ドクンドクンと自分の心臓が跳ね、高揚感を感じる。



記憶は一瞬。電気のように走り抜ける。




私は一体何を求めていたのだろうか。

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