第14話 外野


未來が電話を受け取り、電話の相手と話し込んでる。


回りを見回し、情報を整理する。

警視庁特殊能力捜査班は現在俺を含めた7人で活動しているようだ。


①主任の栗木勇(くりき・いさむ)。56歳。


②塩谷未夜(しおや・みや)。32歳。キャリアウーマンという言葉がぴったりだ。


③桜田未來(さくらだ・みらい)。現役の女子高生。16歳。


④大学生の柊公明(ひいらぎ・きみあき)

。あだ名は、"こうめい"。20歳。


これに⑤俺、鷹葉榛をプラスしたメンバーだ。



電話がようやく終わったようだ。

「塩谷さん、すみません。母が。本当にいつも申し訳ありません。」

「いいのよ。」と優しく言う。塩谷さん。


「じゃあね、お兄ちゃん。」

そう振り返り、跡形もなくどこかへいってしまった。



「ねぇ、鷹葉くん。大きな間違えにそろそろ気づいた方がいいわよ。未來ちゃんは中学1年のときからここにいる。未來ちゃんは5年目だけど、鷹葉くんは何年目?」


「す、すみませんでした。」

イキッていた自分が死ぬほど恥ずかしかった。


「大丈夫。その代わり保護者としてちゃんと見てなきゃダメよ。襲ったりしたら殺すから。」



"殺すから"というたった5文字の言葉に殺気を感じた。空気が代わり塩谷さんの手持ちが分かった。



自己紹介代わりというわけだ。


塩谷未夜の守護獣ーー"北極熊(ウルススマリティムス)"色は凍結。相手の筋肉を収縮させ、食らう。


「冗談。よろしくね。」


微笑みのなかになにか冷たいものを感じた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る