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第3話への応援コメント
気持ちを掻き乱される内容なのに、丁寧で穏やかな文章が印象的でした。
それだけに女性主人公の心のほつれが、なかなか望む方向と噛み合わないやるせない気持ちを伝えてくれたように思います。
私の場合、実際に死と向き合って苦しんでいる身近なひとの側にいる時に感じたのは、虚無感と焦り、行き場のない怒りのようなものだった気がします。
病気や大怪我で自分が死にかけた時の、生き汚い“なんとかしなきゃ”という妙な罪悪感や義務感を差し置いて、誰かと自分の「生死の間際」を重ねることは不思議とありませんでした。
ただ、“なんで、このひとがここまで苦しい思いをしなければならないのか……っ!”という理不尽を怒り、喪失を恐れる感情、感覚だけだったかと。
これもまた、ひどいエゴイズムなんでしょう。
どうやら私にとって、他の誰かの死はキチンとしていて欲しい、でも自分の場合は面倒だし生ゴミだから、迷惑かけるのもなあ…くらいの身勝手さがあります。
それ故に、語り手でもある真澄さんに生死の際を委ねてしまった“彼”の弱さは「笑えません」、同情でも反発の意味でも、ですがw
ただ思うとすれば、穏やかな彼との最後の時、自身の内に秘めていた(幸福とか満足とかと同じものなのかは解りませんが)、何かを成そうと求めて手を伸ばした真澄さんは、一時とは云えその何かに届いたのでしょうか……?
寂しい結末ですが、そうであれば良いですね、と思うばかりです。
「共感」には遠いかも知れませんが、楽にさせるのなら医者任せではなく自分が…と考えたこともありましたので、その前に力尽き逝ってしまったひとのおかげで私は新聞に載りませんでしたが。
死をモチーフにした小説に、つい自己体験をぼんやり重ねてしまう事は、作者様にはご迷惑でありましたでしょう。
その点、お詫び申し上げます。
様々な言い訳や解釈などを切り捨てた結末は、もう余計なものを必要としない女性主人公真澄さんそのもののようで、とても良かったと思います。
貴重な時間を、有難うございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そして申し訳ございません。内容が内容なので、もしかしたら不快な気持ちにさせてしまったかもとコメントを読ませて頂き気付かされました。同じような境遇を経験された方なら、なにかしら思うことが普通ですものね。軽率でした。
私にとって死というテーマはやっぱり特別で、ずっと長い時間考えているものです。学生の頃友人が亡くなった時に、残された家族や同じく友人達と接して、故人に対して抱く感情は本当に人それぞれでした。
そしてそれは私自身も。自分でも理解できない感情を故人に対して抱きました。今思えば、この話は私が出来なかったことを主人公に投影しただけの独りよがりなものだと気付かされました。
書いていただいたコメントが妙に心に残り、このよくわからない返信になってしまいました。申し訳ございません。
編集済
第3話への応援コメント
真澄さんの行為が結末に至った流れは丁寧な描写のおかげで判りました。ですが、その流れに至った考えや気持ちに、幼なじみへの所有欲(?)以上の何があったか理解できませんでした。……多分、私の感性の問題なのでしょうけれど、所有欲だけで殺人に至れるのか?も理解できなかった。そこがモヤッとしました。
作者さんの意図が「価値観の違う者には理解できない行為と向き合わせる」ことにあるのでしたら、その意図に嵌まったのかもしれません。
私には理解できない流れながらも最後まで読ませる優しい文体にはとても好感持ちました。
作者からの返信
わざわざ長い応援メッセージありがとうございます。 凄くドキッとしました。湯煙さんがご指摘されたとおり、この文章のテーマはまさに『価値観』でした。
そして自分でもご指摘頂いた、箇所に疑問と不安を感じてました。やはりまだまだ腕がたりません。
当初この話のラストは、死に間際の苦しんでいる彼の生命維持装置を外してしまうラストでした。そして彼が感謝して、逝くむたいな。ただ当時、世間で芸能人の方がお亡くなりなり、同じようなシチュエーションなため不謹慎な気がして変更しました。なら病気で苦しんでる彼のために、彼女がもっと動く話にしようとこの流れになりました。
最後に、彼の首を切ったのは一応怒りに近い感情ですね。早く逝ってしまった彼と病気と自分に対する。最後につらつらとその辺を書いてましたが、言い訳がましくてカットしました。湯煙さんが書いていたように所有欲のほうが、しっくりきたかも。人によって感じ方違っておもしろいですね。それぞれの正解を出す、小説を読む醍醐味と思います。たいへん勉強になりました、ありがとうございました。
第3話への応援コメント
企画参加ありがとうございます。
甘く辛いこの物語で様々な意味を持った15cmという言葉。
結末は変わらずとも辿る環境が違えば、彼女たちの15cmはどうなっていたのだろうか?と考えてしまう作品でした。