Twitter300字ss 光あれ、と誰かが言った

 光と書いてヒカリと読む。まんまだけど。

 幼い頃から、僕の周りには人が集まった。常にクラスのリーダーで、生徒会長で、送辞を読んで答辞を読んで、新入生代表だった。部活ではキャプテンを務めた。当然、女子にもモテた。名前通り、僕は光のような存在だった。人を惹きつけてやまない何かがあった。カリスマ? そう、きっとそんなものが。

 これを活かして何ができるだろう。起業とか。ゆくゆくは政治家? 色々考えたけれども、少ない元手でハイリターンなのは、宗教だろうという結論で――いや待て。神は光あれ、と言った。つまり神とは僕の親か。ドメスティック! まずは親を越えなければ。


「厨二!」


 心の中で、僕の影が笑っている。



(300文字)


「Twitter300字ss」企画参加作品/お題「光」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る