第39話 なんということでしょう!!!!
水はひんやりと気持ちいい。
レインは鎧を脱ぐのに時間がかかるらしく、俺は先に湖に入って待つことにした。
この湖は水の精霊の加護を受けているとのことで、モンスターは滅多なことでは近づかない。身体の汚れを落とし、身を清めるにはもってこいの場所というが……今のところ、誰かに遭遇したことはない。裸の女子と遭遇するなんて事故が起きることもない。残念なことに。
――ちゃぷん。
水音が鳴った。レインだろうか。
俺は振り返る。
雲に隙間ができ、月明りが湖を照らした。
俺は硬直した。
雪のように白く、美しい裸体はまるでどこかに展示されていた女神の彫刻を思わせる。
あちこちが傷跡だらけだが、その肌は滑らかで、月明りを受けて淡く輝いているようだった。
水色の髪、そして瞳。胸は大きいです、はい。ミーアと比べるとあれですが、とても整った、ふんわりバストでございますね。
その女性は、俺を見て目をぱちぱちさせている。やばい。ガン見しすぎたか。ちがうんだ、無意識なんだ。悪気があったわけじゃないんだ。本当だよ。
「どうかしたか、アーティ殿? む。そうか……やはり私の身体は醜いのだな」
女性が胸の下で腕を組んだので、それはより強調された。
俺は静かにかがみこんだ。
「アーティ殿? 急にかがみこんでどうしたというのだ?」
「あの、ええと、その。どちら様でございますでしょうか」
女性は首を傾げる。
「何を言っているのだ、アーティ殿。私だ、レインだ」
「……え? えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
俺の絶叫が、湖中に反響した。
鎧の男だったはずのレインは……なんと、女性でしたとさ!
わお。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます