【 oneself 】

有刺鉄線を張り巡らし 

囲いの中でわたしは 

小さなプライドを守っていた

感情に触れたモノには 

鉄のいばらで傷つけた


人の言葉に耳を塞ぎ 

空想の世界で呼吸していた

小さな砦の中では

自分の声しか聴こえてこない

孤独な魂は震えていた


寂しさから縛ろうとした 

弱さからすがろうとした

そして……

振りまわし 優しいあの人を

疲れさせてしまった


道の途中に立ち止まり 

行くべき道に迷っている

『 自分なんかいらない 』 

そう呟いて ぬかるんだ道を 

一歩だけ前に進む……

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