狂気の沙汰

虚無

ブランコ

息子はとてもブランコが大好きな様だ、最近保育園から帰ると必ず『ブランコ行く!』と、手をつなぎ、団地の間を通り抜け公園へ、でも息子は、ブランコでは無くシーソーや、滑り台に乗り砂場で遊んで、団地に灯りが灯る頃一緒に帰宅するのが日課だ。ある日の公園からの帰り道、きっと息子は、シーソーか何かをブランコと勘違いしているのかと思い、団地の間に差し掛かった頃息子に、聞いてみた。『ユウジ、ブランコってどれの事を言っているんだ?』


息子は、団地の一部屋を指差し、『アレ!ブランコ!』と嬉しそうに言った。息子の指差した先の薄明かりの部屋には、天井からヒモで、ブラーンと、ぶら下がる二つの影がボンヤリと浮かんでいた…

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