誕生日!!
10月になった。文化祭が終わり、来月には修学旅行が控えている。修学旅行の行き先は京都と奈良と大阪らしい。初日は京都観光をして1泊。2日目は奈良に向かい、大仏と鹿を見るとか見ないとか。そして昼過ぎ(3時頃)に宿泊先である大阪に向かう。3日目は終日ユ○バ。4日目は午前中大阪観光をして昼過ぎに東京へ戻ると言う日程だ。
そして文化祭の話題に話を振る。長くなるので省略するが、僕と真綾、理香が在籍しているクラスの出し物(喫茶店)に、莉奈ちゃん・凛さん・彩さん・真弥さん・香織さんが何の予告もなしにやって来た。男子生徒からの、「なんだこの美女5人組は」や、「このお姉さんと接客してぇ~」という声と僕への強烈な視線が深く印象に残っているのは言うまでもない。真綾と理香も他の客に対応してて、5人に接客する機会がなかったので尚更だ。家に帰った後、「なんで勝手に来たんだ。今日(土曜日)はイベントじゃなかったのか」と莉奈ちゃんに尋ねたが、莉奈ちゃんは、「お兄ちゃんを驚かせようと思って」としか言わなかった。後日僕は他の4人も同様の内容を尋ねたが、全員が全員ほとんど同じような回答だった。
そして、莉奈ちゃんが僕の妹になってもう3ヶ月になろうとしていた。
10月13日は莉奈ちゃんの誕生日だ。16歳。とはいえ、この日は何もない平日。朝起きても特に変わったことはないだろう。
朝起きた時には、莉奈ちゃんはもう外出していた。今日は学校を休んで朝から仕事があるとのこと。帰るのは夕方になるようだ。そして夕方、学校が終わった僕は家に戻る。僕は家に戻った時には、すでに父さん・真莉子さん・美穂姉がもう家に帰っていた。これからレストランに向かうという。そして、莉奈ちゃんはレストランで合流すると父さんは言っていた。
夕方、レストランに着いた4人は個室に入り、それぞれ食事を注文する。僕はラーメンセットを注文した。しばらくして、4人が食事を食べ終えようとしていた頃、仕事を済ませた莉奈ちゃんがやってきた。
「莉奈、遅い!あんた、今日が何の日なのかかわかってるの?」
真莉子さんは店に入ったばかりの莉奈ちゃんにこう言ってきた。莉奈ちゃんは、「ちょっと仕事が長引いて・・・」と言っていた。莉奈ちゃんはステーキセットを注文し、これから食事をしようとしていた頃、店員さんが個室にやって来た。
「桜井様、バースデーケーキを用意致しました」
店員さんはそう言い個室を出る。しかし店員さんの言葉、そして「Happy Birthday to Rina 10.13」と書かれたチョコレートが載せられたケーキに莉奈ちゃんは、
「みんな、これって・・・」
と言葉を漏らした。莉奈ちゃんがそう言葉を漏らすと4人で声を揃え、
「莉奈、誕生日おめでとう!」
と莉奈ちゃんに向けて言い、誕生日プレゼントをそれぞれ莉奈ちゃんに差し出した。そして莉奈ちゃんは、
「ありがとう!やっぱり私の誕生日知っていたんだ・・・でも私、朝からみんなに誕生日祝われてケーキもいっぱい食べたからケーキはもういらないかな」
と涙を出しながら言った。それでも莉奈ちゃんはケーキを1カットだけ食べたけど。そして、残ったケーキは4人で食べることになったのは言うまでもない。
◇ ◇ ◇
食事を終えた5人は、揃って家に戻った。帰りの途中、僕は莉奈ちゃんに「家に戻ったら大切な話がある」と言った。帰宅した僕は、すぐ部屋に戻った。莉奈ちゃんも一回自分の部屋に戻るという。しばらくして、
「お兄ちゃん、何の話?」
と莉奈ちゃんがやって来た。僕は、「ノックくらいしてくれよ・・・」と小言をいったが、莉奈ちゃんには多分聞こえていない。そして、僕は莉奈ちゃんに、
「莉奈、君は僕の大切な妹なんだ。だから大好きだ。誰よりも愛している。・・・深い意味はないけど。だからこれからも、ずっと一緒にいよう・・・」
と言った。義妹にこんなことを言っただけなのになぜか照れる。顔が赤くなる。・・・理想の女の子が妹なんだから仕方がない。すると、莉奈ちゃんは、
「うん、莉奈も大和お兄ちゃんのこと、だーい好きだよ!莉奈の、大切なお兄ちゃんだからこれからもずーっと一緒にいようね♡」
と最高の笑顔で僕に言葉を返した。
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