第9話 レベルアップという分かりやすさ。
経験値を積んでレベルアップ。いかにもゲーム的な表現であり、ある意味ゲームそのものと言っていい分かりやすいシンボルとも言えるものです。
強さというのは基本的には数値化できないものなのですがそれをあえて数値化すると分かりやすくなります。その中でもレベルアップというのは強くなったことを表現するのに大変分かりやすい表現技法だと思います。「レベルアップ」このたった6文字で筋力、俊敏性、あるいは魔力、そして戦闘経験からくる練度の上昇という事まで言い切れる非常に便利……そう。もはや言葉なんていう貧弱で不完全なコミュニケーション手段では到底表現しようのない位便利な、まさに「魔法の」キーワードです。
数値化されてない強さというのは分かりにくいものです。私も自分のステータスが見れればどれだけ楽に才能を発見出来たかわかりませんし、成長の度合いを示す数値が無いというのはモチベーションを保つ上で非常に大きなネックとなります。それが出来るゲームの要素を取り入れたなろう系小説は書く方にとっても読む方にとってもその点が非常に分かりやすいのです。
ちなみに強さの数値化というのは昔から行われてきました。古典的な例では柔道や書道の「段位」が実力を数値化した例です。
ファンタジーを題材にした娯楽でも「マナ」というもので魔力を数値化しましたし(マジック・ザ・ギャザリングというカードゲームが有名です)、ドラゴンボールも一時期「戦闘力」という値で強さを数値化していました。
ラディッツの「戦闘力……たったの5か……ゴミめ」やフリーザ様の「私の戦闘力は53万です」はドラゴンボール世代でなくても1度は聞いたことがあるかもしれません。
下手すればタフさを表現するのに「切断された腕が生えて再生する」とか「首を斬りおとされたにも関わらず身体が動く」と表現するよりも「俺のHPは約283万。お前らが与えたダメージはせいぜい30万ってところか。無様だなぁ。あれだけ必死こいてやっと1割かよ」と言った方がその手の人には共感できるかもしれません。正直私には全くもって理解できない領域になりますが。
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