八月の重力

瓶詰めのジャムが腐って

約束は

永遠は

八月まですら

もたないと知る


──それは瓶の外のことのせい


白くバターを塗りたくって

赤い太陽を

黒い狼煙を

吉凶すら曖昧に

誤魔化していく


──それは瓶の中のことのせい


選び出して手に取ったはずの

一つ分が

一つ分の重さであったことに驚いて

誰かの分も

二つ分の重さでなかったことに安堵して


──その封はまだ切らずにずるくいる

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