知らない街へ行くときは

知らない街へ行くときは

街の名前を唱えていこう

重なったオ段の音をのばしてさ


地図上で肩書きをいばる漢字なんか放っておこう


知らない街へ行くときは

街の名前を唱えていこう

口ざみしいなら口笛で節をつけてさ


誰かがくれたガムより少しは長くもつだろう


足跡をつけるたび警告を出す

地図には鉛筆で落書き

足音を立てるたび生まれる

よい妄想とわるい妄想

みんな口笛で吹き飛ばせ


ぼくが見たのはぼくの見たもので

ぼくが見て感じたのはぼくの見て感じたことで

そのまんま街を知れたらぼくも

門をくぐってゆけるだろうか

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