第253話旅立つ人
農業訓練の教室は23歳~65歳まで年齢はバラエティに富んでいます。
私は座った席の関係で34歳の女性と親しく話をしています。
「お昼に相談があるんです」
近くのホテルのレストランで食事をしながら話をします。
「早いものですね。もう授業が半分まで来ましたね」
この教室では腎不全や労働裁判の話はしていません。
「ずっと考えていたんですが、ここを辞めようかなと思っています」
「それはまた?」
「どうも私のしたいことと違うような気がしているんです。みんな農業と言っていますが大半は面白半分で店を覗いているように思うのです。私は何とか古民家レストランを開きたいのです」
「中には農業法人に行くと言う人もいるが」
彼女はごそごそ鞄から10枚ほどのコピーを出してきます。
これはぎっしり手書きで書かれた古民家レストランの企画書です。
「事業としての意見が欲しいのです」
昔社員として農業レストランを運営したことがあります。
「すでに小豆島の農園に行くことになっています」
「どのくらい残っています?」
「次の農業実習でお終いです」
「それまでに見ておきますよ」
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