第88話これを最後の仕事に

新会社設立ということで、5人でささやかに飲み会をしました。{/beers/}

「専務どうぞ」

私は専務ということになり、相棒は部長ということになりました。

どうやらこの単位までまとめれましたが、社長や現場の幹部とはまだ彼女らは軋轢が厚いようです。

今日飲み会をするということで、女房から久しぶりに尿漏れパンツをはかされています。

「家賃の引き下げの話はどうなりましたか?」

主任の女性が聞きます。

「その話は現場の支配人の中で持ちきりなんですよ」

「どうして?」

「それは何年も前から支配人から社長に提案されていますが、社長は逃げに逃げまくっていますから」

「確かに首が飛ぶかもしれません」

そう覚悟して本社の社長室で話しました。

「それは不味いですよ。社長は気に入らなければすぐ首を切るタイプですから」

相棒の部長が心配そうに言います。

「でもね、それしかホテルの再生はないのだよ」

「社長は?」

「考えさせてくれと言ったさ」

「珍しい反応ですよ」

私は宮仕えはこれで最後にしようと思っています。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る