【 昼寝日和 】

窓を這う

ゴーヤの日除けに

蝉の声


首に巻いたタオルで

額の汗をふく


夏の昼下がり


冷たい麦茶と

熱を帯びた風

微かに揺れる風鈴


涼しい場所を探して

寝御座と竹枕


夏の昼寝日和



 【 のんべんだらり 】


のんべんだらり

日長一日 だらだらと

ソファーの小舟で

文庫本が櫂に

目が疲れたらひと休み


音楽の風に吹かれながら

好きな時間を小舟に乗せて

無為の海を漂流しよう


のんべんだらり

日長一日 ゆらゆらと

ソファーの小舟に

白い帆をあげて

今日は命の洗濯日和


― だって、大人は疲れているのです ―



 【 風の通り道 】


容赦なく

照りつける太陽から

逃れるように

白い日傘が路地の奥へと入ってゆく


打ち水をしたアスファルト

ゴーヤ棚が繁って日陰をつくっている

縁台でのんびり昼寝する野良猫

軒下には硝子風鈴が


どこからか涼しい風が吹いてきて

ちりんと風鈴を鳴らした

ここは風の通り道

ひととき暑さを忘れさせてくれる


ハンカチで汗をぬぐい

人心地ついたら

白い日傘は

夏の道をまた歩きだす

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