第133話 それぞれの物語
「ブレイブソード!」
ユミーリアの勇者の剣が海の塔を破壊した。
俺達は未来の世界に来て、4つある邪神の塔の内の2つ、氷の塔と海の塔を破壊した。
俺の服という尊い犠牲を払いながら。
残りは風の塔と炎の塔だ。
炎の塔は最後にする事になっているので、次は風の塔だな。
「ふむ、周囲から邪悪な気配が消えました。リクト様、これで海の塔は問題ないと思われます」
マキが俺の横でそう告げる。
海の塔を破壊した事によって邪悪な気配が消えた様だ。
「よし、それじゃあ次に行くか」
俺はコートで下半身を隠しながら歩く。
絶壁のコートがロングコートで、本当に良かった。
俺達はピーチケッツ号に乗り込んで、海底から出た。
マイホームで着替えを済ませ、空飛ぶピーチケッツ号で風の塔へと向かう。
海からは脱出したので、みんながマイホームから出てきた。
「今回はリクト達に任せっきりだったからね、次は僕達が頑張るよ」
ユウが握りこぶしを作りながらそう宣言した。
そうだな、邪神との戦いも控えてるし、ここらで勇者であるユウにも頑張ってもらわないとな。
これまでは俺でもなんとかなってきたが、邪神が相手となるとどうなるかわからない。
邪神を倒すのは本来勇者の役目だ。この邪神の塔を破壊するのも本来勇者の役目だしな。
「よし、頼んだぞユウ」
「ああ、任せてくれ!」
以前は俺達と大きく差が開き、ポンコツ勇者と化していたが、修行を経て勇者の装備をそろえて、自信がよみがえってきたみたいだ。
「お兄様、少しお話があるのですがいいでしょうか?」
プリムが俺に話しかけてきた。
「どうした?」
「気になる事がありまして、その、お兄様なら何かご存知かな、と」
プリムが船から地上を見る。
「お兄様、あそこにデンガーナがあったはずですよね。ですがこの未来の世界には、何もありません。平地が広がっているだけです。これは、どういう事なのでしょうか?」
俺は空飛ぶピーチケッツ号から地上を見る。
この未来の世界には、ウミキタ王国やデンガーナ王国はなかった。
元々クエファンには存在していない国だからだ。
パッショニアは国にはなっておらず街のままだし、今から向かう風の塔がある大陸には、帝国も無い。
クエファン自体がそもそもキョテンの街から出る事はほとんどないゲームだったからな。
改めて見ると、俺達の居た世界はクエファンの世界とはかなり違ってきていた。
「えっとな、プリム、この世界は確かに未来の世界だが、俺達の世界とは微妙に違う世界の未来なんだ。なんというか、そう、ユミーリアの物語の世界の未来なんだ」
「ユミお姉様の物語の、世界、ですか」
プリムが首をかしげる。
「そうだ、ユミーリアの物語の世界にはデンガーナ王国もウミキタ王国も、帝国も存在しなかった。だからこの世界にも存在していないんだ」
俺の言葉を聞いて、プリムがホッと胸をなでおろした。
「良かった、未来でデンガーナが滅びたわけではないのですね」
なるほど、そういうとらえ方もあったか。
俺はウミキタ王国の出身であるマキにも、ウミキタ王国が滅びたわけではないと、今の説明をしておいた。
「ありがとうございますリクト様。私もウミキタ王国が港町になっていた事に疑問を持っていました。さすがに滅びたとまでは思いませんでしたが、納得がいきました。わざわざありがとうございます」
マキはそう言って頭を下げた。
未来にきたら自分の生まれ故郷が無いっていうのは確かに不安になるよな。
もしかしたら、他にも同じ様に疑問を持っている人も居るかもしれない。
俺はみんなを集めて、改めて今の話をした。
「私と兄さんの物語の世界、か」
ユミーリアが空から世界を見渡した。
「ねえリクト、私の物語って、どんなだったか聞いてもいいかな?」
そういえばちゃんと話した事なかったっけ。
「ふむ、私も聞いてみたいな。ついでに良ければ私の物語も聞いてみたいものだ」
エリシリアが参加してくると、みんなも俺の話を聞きたがった。
風の塔に着くまでまだ時間がある。
俺はみんなを集めて、それぞれのゲームの話をする事にした。
クエストオブファンタジー。キョテンの街を舞台に、ユウとユミーリアという勇者が主役で、魔法使い、戦士、僧侶を仲間にして冒険者として成り上がり、邪神を倒す。という物語だ。
ゴブリンキングとの戦い、遺跡調査、竜との戦い、パッショニアの護衛任務、オーガの侵攻、王族の試練、邪神の使徒やフィリスやゼノスとの戦いはユミーリアの物語だったな。
「パッショニアが出てくるのに、わしはそこに出てこなかったのか?」
「アーナみたいな変なキャラクターや、エルフとドワーフの混血なんてのはいなかったな」
「へ、変って……そうか、やはりわしはおらんのか」
アーナが肩を落とす。
コルットがそんなアーナの頭を撫でてなぐさめていた。
「次は、コルットの物語だな」
コルットの目が輝いた。
ストレートファイター2。初代主人公だったリュウガの娘であるコルットの物語だ。
たくさんの戦いを経て、ジャミリーやオウガを倒す、という話だったな。
「いっぱいたたかうの?」
「そうだ、いっぱい戦ったぞ」
ほとんど俺がやってしまった気がするがな。
コルットはまだ見ぬ強敵達に、胸を躍らせていた。
「そういえば、ゴンは出てきたけど、その娘のネギッツは出てこなかったな」
「わしと同じ様なもんじゃな」
考えてみれば、結構本来のストーリーには居なかったキャラが出てきてる気がする。
今さらだけどな。
続いてエリシリアの物語、サンダーの紋章5だ。
ロイヤルナイツとして帝国と戦う話だな。
「なるほど、帝国と戦うのは私の物語だったのだな」
今ではエリシリアはロイヤルナイツを脱退している。
その時点で本来の物語とは違っていた。
まあ、これは俺のせいだけどな。
そう思うと、ちょっと悪い事をした気もしてくる。
「なあエリシリア、その、ロイヤルナイツをやめた事」
「まさか後悔しているかと聞く気じゃないだろうな? 私はお前についてきて、良かったと思っているぞ。それでも気になるなら、私を幸せにしてくれればいい」
エリシリアがそう言ってやわらかく笑った。
うん、俺、絶対にエリシリアを幸せにするよ。
「リクト様、次は私の話をお願いします」
俺とエリシリアが良い雰囲気を出していると、マキが横から入ってきた。
エリシリアが少しムッとしていたが、俺はマキの話をする事にした。
マキの物語、プリンセスメイドは、魔界からスーパーメイドを目指してやってきたお姫様の話だ。
人間界で運命の人と出会い、その人と一緒に魔王を倒してスーパーメイドになるという話だったな。
魔界の姫と聞いてユウ達が驚いていた。
「今は転生して、正真正銘の人間ですのでご安心下さい」
ユウ達はこっそり、まあリクトのお嫁さんだしねとつぶやいていた。
どういう意味だこら。
「しかし、運命の人ですか、確かにリクト様は、私の運命の人ですね。フフフ」
マキが微笑みながら、俺に近づいてくる。
「リクト、次はプリムの話の番だな?」
今度はエリシリアが割って入ってきた。
マキが少しムッとしたが、俺はプリムの話をする事にした。
プリムの物語、ロイヤルぱにっく。ある日突然現れたワルイゾウ帝国から国を救う為に、敵を倒しに冒険に出るという話だったな。
「私の物語だけ、覚えがありませんね」
「多分、エリシリアとマキの物語と混じったんだと思う」
帝国というのはエリシリアの物語と、敵の魔王と戦うのはマキの物語と一緒になったと思われる。
「むう、なんだか私だけ扱いが酷くないですか?」
「アーナよりはマシだろう」
登場すらしていないからな、あいつは。
「やっぱり、もっと早くお兄様に出会いたかったです」
プリムが俺に寄りかかってくる。
俺はそんなプリムの頭を撫でた。
「なあに、これからずっと一緒なんだ、それでいいじゃないか」
プリムの顔が赤くなる。
「そ、そうですね、ずっと一緒、ですもんね」
頭を撫でられるプリムを見て、わたしもーとコルットが寄ってきた。
そんなコルットの頭を撫でていると、ユミーリアがもの欲しそうな目で見ていた。
可愛い、ユミーリア超絶可愛い。
「俺はどうなんだシリト?」
ヒゲのおっさん、居たのか。
「おっさんも物語には出てこなかったな。ギルド長はユミーリアの物語に出てきたが、結婚してたなんてこの世界に来て初めて知ったぞ」
「フッ、わしと同類じゃな」
アーナがおっさんを見てニヤリと笑う。
「なんでい、あいつそっちの世界じゃ独身だったのか」
「特に語られなかっただけで、独り身だったのかはわからないけどな」
おっさんがニヤニヤ笑っていた。
これはあれだ、後でギルド長をからかって、逆に怒られるヤツだ。
そっとしておこう。
「俺の親父と母さんは、ユミーリアの物語の未来で、勇者としてこの世界にきたって感じだな」
「えっと、つまりリクトの両親は、僕達の子孫って事かい?」
ユウの言葉で、みんな頭の中がややこしくなる。
俺の両親なのに俺達の子孫とはこれいかに。
「しかし、これまでの話を整理すると、後は邪神を倒せば全員の物語が終わるという事か」
エリシリアの言う通りだった。
後は邪神を倒せば、全てのイベントが終わる。
「全ての物語が終わった時、私達はどうなるんだろうな?」
みんなが俺を見た。
全てが終わった後、か。
「どうなるも何も、あとはみんな幸せに暮らしました、で終わりさ。物語の最後は、ハッピーエンドって決まってるからな」
俺はそもそも、その為にこれまで頑張ってきたんだ。この世界で、最高のエンディングを向かえる為、最高の人生を目指して、何度も死んで、頑張ってきた。
俺の言葉を聞いて、みんなの顔がほころんだ。
「でも、母さんとしては、ゲームの世界じゃなくて、現実の世界で幸せになって欲しかったんだけどねぇ」
「まったくだ、この親不孝者め!」
親父がげんこつで俺の頭をグリグリしてくる。
「まあ、こうなっちまったもんはしょうがない。ここでお前が幸せなら、それでいいさ」
「そうね、ちょっと残念だけどね。あんたの幸せそうな顔を見てたら、あきらめもついたわ」
確かに両親には、ちょっと悪い事をしたかもしれない。どうやっても現実の世界にはもう戻れないのだ。
全部神様が悪いんだけどな。うん。
そんな風に話していると、風の塔が見えてきた。
もしかしたら空飛ぶ島があるかと思ったが、残念ながら空飛ぶ島はなく、塔は地上にあった。
プリムチ族が存在しないのは良い事かもしれないと、ちょっと思ったのは秘密だ。
「よし、それじゃあ乗り込むぞ!」
「了解です! 真・ピーチケッツ号、降下!」
プリムが号令をかけ、船は地上へと降りていった。
地上に着いた俺達が塔に近づくと、塔から大量の悪魔達がやってきた。
「ゲヒャヒャヒャ! 人間がやってきたぞ!」
「殺せ! 人間は殺せ!」
どうやらここの悪魔どもは、ゲスな連中が多い様だった。
俺はふと、一番最初の悪魔を思い出す。
「なあクソ悪魔、お前らデオーチって悪魔の事、知ってるか?」
デオーチの名前を聞いて、悪魔達は笑い始めた。
「ヒャヒャヒャ! そりゃ、俺達と同じくカゼキル様の作った悪魔、弱虫デオーチの事だな!」
「ああ、相手を石にする事しかできないクソザコ悪魔だったな!」
「しかもその石化も、10分で切れるしな、ゲヒャヒャ!」
「そうか、この塔のボスが作った悪魔だったか」
悪魔達の笑い声にあわせて、俺も笑った。
「じゃあ、ここの悪魔や塔のボスには、容赦はいらないな」
「ヒャ?」
俺の前に居た悪魔達が、一瞬で弾け飛んだ。
やったのは、エリシリアの光のムチだ。
「リクト、光の尻だけは無しだからな」
「次に使用された際には、ヒゲゴロウ様にお尻を撫でて頂きますからね?」
エリシリアとマキが俺に念を押してくる。
「わ、わかってるって、だからおっさんはカンベンしてくれ」
怒りがちょっと萎えてくる。
だが、大量にせまってくる悪魔達を見て、再び闘志がわいてきた。
「ユウ、悪い、ここは俺達にやらせてくれ」
俺の言葉に、ユウは疑問を抱き、近くに居たユミーリアに聞いた。
「どういう事だい?」
「ここの悪魔のひとりに、コルットが石にされちゃった事があるの。だからみんな、ここの悪魔には容赦ないというか、悪魔自体に容赦ないというか」
ユミーリアが苦笑しながら説明した。
コルットはまったく覚えてないみたいで、アーナに抱っこされながらキョトンとしている。
「ねえ、アレたおしていいの?」
「コルットは今回はわしと一緒に見学じゃな。みんなが心配するからのぉ」
「えー」
戦いの気配を感じてウズウズしていたコルットは、今回は参加させてもらえないと知ってガッカリしていた。
「さて、それじゃあいっちょ暴れるか!」
俺の言葉を受けて、エリシリア、マキ、プリムがうなずいた。
俺達4人は、悪魔達へと向かって行った。
風の塔の周囲は、悪魔達の悲鳴が飛び交う戦場となった。
どいつもこいつもゲスな笑い声で向かってくるもんだから、ためらい無く斬ったり殴ったりした。
「な、なんだこいつら!」
「人間のクセに、強すぎる!」
俺もエリシリアもマキもプリムも、容赦しなかった。
次々に悪魔を消滅させていく。
俺達から逃げ出したやつは、ユミーリアが斬り裂いていた。
「うー、みんなさっきにとらわれてる」
「大丈夫じゃよ、これが済んだらみんな元に戻るからのー」
コルットをアーナが抱っこしてあやしていた。
ある程度の悪魔達を倒した所で、たつまきをまとったデカイのが出てきた。
おそらくここのボスだろう。
「おのれ貴様ら! こんな事をしてタダで済むと思うなよ!」
ボスが大きく叫んだいたが、俺達はそれを無視して悪魔達を倒していた。
「オイ! こちらの話を聞け!」
「嫌なこった。お前を倒したら悪魔は全部消えちまうんだろう? だったら先に、悪魔達を全員ぶっ殺す」
俺の言葉を聞いて、悪魔達が逃げ出した。
「き、貴様ら! 何を逃げ出している! 戦わんか!」
ボスがそう叫ぶが、悪魔達は聞いちゃいなかった。
逃がしはしないとエリシリア達が追撃する。
「リクト! 残念だがこのままでは逃げ出した悪魔達が街へ向かうかもしれない。ここはボスを倒すんだ」
エリシリアにそう言われて、俺は渋々ランラン丸を空へとかかげて、気を集中する。
渋々、とはいえ、こいつはあのクソ悪魔のボスだ。絶対に許しはしない。
「先に仕掛けてきたのはそっちだからな? ウチの大事なコルットに手を出した事を、あの世でも後悔しやがれ!」
俺はいつもより巨大になったピンク色の気を、相手に叩き込んだ。
「シリブレード!」
二つの丸みをおびたピンク色の気を受けて、風の塔のボスが消滅していく。
「グアアアア! な、なぜだ、なぜ人間にこんな力が!」
ピンク色の気は風の塔のボスを吹き飛ばし、風の塔にぶち当たって大爆発を起こす。
∞のピンク色のラインを残して、悪魔達と風の塔は、消滅した。
「相変わらず、ひっどい技でござるなー」
ランラン丸がピンク色の光を見てつぶやいた。
「言っとくがあのピンク色の尻、お前から出てるんだからな?」
「なんて事を言うでござるか! あれはリクト殿の気でござるから! 拙者じゃないでござるから!」
とにかく、これでゲスな悪魔達は全滅させた。
風の塔があった周囲は、焼け野原と化していた。
「よーし、終わったの? みんな、そこに一列に並ぶのじゃ」
悪魔達を倒してスッキリした俺達に、アーナがコルットを連れて話しかけてきた。
「なんでだ?」
「殺意にとらわれたお主らに、コルット先生がカツを入れてくれるのじゃ」
アーナがそう言ってニヤニヤ笑っていた。
ああそうか、そういう事か。
俺はあきらめて、後ろを向いた。
「めっ!」
コルットが俺の尻を叩いた。痛い。だがなぜだろう? 悪魔達への殺気や恨みが、消えていく気がする。
「わ、私もか?」
「ほれ、はよぅ後ろを向け」
エリシリアも渋々後ろを向いて、コルットに叩かれる。
マキはなぜかうれしそうに叩かれていた。
「こ、コルット、私は……」
「めっ!」
そしてプリムも叩かれて、涙目になっていた。
コルット先生怖い。
だが、みんな自分自身から邪気が消えた事を実感したみたいで、みんなでコルットにお礼を言った。
さて、これで残るはあの、炎の塔だけだ。
俺達はピーチケッツ号に乗り込んで、炎の塔へと向かった。
「ねえリクト、あの炎の塔の人達を倒さずに、なんとかならないかな?」
ユミーリアが遠慮がちに話しかけてきた。
「無理だろう、親父の話だと全部の塔を破壊しないと、邪神の居る所に行けないらしいからな」
「じゃあ、炎の塔を壊さずに、邪神の所に行く方法があればいいんだよね?」
どうもユミーリアとしては、炎の塔は見逃してあげたいみたいだ。
甘い、甘すぎる。
だがその甘い所がたまらなく好きだったりする。やっぱり勇者はそうでないとな。
「まあ、一応炎の塔のボスに聞いてみるか」
俺の言葉を聞いて、ユミーリアの顔が輝いた。
「ないね」
しかし、その希望はアッサリ砕かれた。
「あんたの言う通り、この塔を破壊しなければ結界が消えないから、邪神の元へは行けないよ」
俺達は炎の塔に着いて、ボスに相談してみた。
だが、返ってきた答えはこれだった。
「他に結界を壊す方法はないんでしょうか?」
「ありがとうね勇者のお嬢ちゃん。だけど、それは無理さ」
ユミーリアの言葉を聞いて、炎のボスはニヤリと笑った。
「なにせあんた達は、ここで死ぬんだからね」
気付いた時には、周囲は炎に包まれていた。
「あんた達がもし、他の塔を破壊できるくらい強いのなら、ここで塔ごと自爆する、それが私に与えられた使命なのさ。悪いが一緒に死んでもらうよ」
ユミーリアが信じられないといった顔で相手を見る。
だが、そんなユミーリアを、相手は鼻で笑った。
「フン、あんた達がマヌケにも私の話を信じてくれたおかげで、ここまで炎の力を溜め込む事ができたよ。まあ、予想よりはるかに早く他の塔を壊してきたのには驚いたけどね」
どんどん周囲の熱気が高まってくる。
「さあ、一緒に弾け飛ぼうじゃないか」
次の瞬間、炎の塔の熱気が、大きく膨れ上がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます