お遊戯会

「はい!!お遊戯会最後の最後は椅子取りゲーム!!椅子取りゲームをします!!」


 わーいわーい!!きゃー!!きゃー!!


 やったー!!やったー!!やったー!!!


 みんな喜んでいます。わーいわーい。


「椅子は椅子でも、鶯取りゲームでーす。はいみんなー、鶯をとりにいってらっしゃーい!!」


「はーーい。」


 バサバサバサバサー!!


 バリンバリンバリンバリーン!!


 みんな羽を生やし、窓を割って飛び立っていきました。


「わあみんな、すごいなあ。」


 たかし君はまだ飛べません。


「先生、僕はまだ飛べません。どうすればいいですか?」


「うーん、そうね。じゃあたかしくんは先生と教室で椅子取りゲームしましょうか。」


「はーい!!」


 たかしくんは嬉しいです。先生と二人きり、椅子取りゲームを始めます。はい、始めるよー始めるよー。椅子を教室の真ん中に置きます。ちっちゃな椅子です。


「じゃあ音楽を流します!!ミュージックスタート!!」


 ♫ ずんちゃっずんちゃっずんちゃっちゃっ♫


 くるくるくるくる回ります。


 ♫ ずんちゃっずんちゃっずんちゃっちゃっ♫


 くるくるくるくる回ります。


 ♫ずんちゃっず


 突然止まる音楽。椅子、取らなきゃ!!


 スタッ!!


 素早く座る先生。一方静かに立ち尽くすたかしくん。


「たかしくんどうしたの!!椅子取りゲームなのだから、取りにいかなきゃ!!人生は椅子取りゲームなのよ!!だめじゃない!!」


 先生は目を見開き、たかしくんに言います。


「ええっ、、。」


 きょとんとするたかし君。


「何ぼうっとしているのよ!!人生は椅子取りゲームなのよ!!椅子取りゲーム!!椅子取りゲーム!!」


 追い討ちをかける先生。


「い、、、、いやだいやだあ!!そんなのいやだぁっ!!椅子取りゲームなんて嫌だあっ!!人生は椅子取りゲームなんかじゃないんだあっ!!」


 喚いています。現実の残酷さを受け止め切れないのです。


「人生は椅子取りゲームなのよ。負けたら自己責任なの!!自己責任なのよ!!」


「嫌だ!!嫌だあああああああああ!!そんなの嫌だああああ!!」


 力を込めるたかしくん。


 ブリブリブリブリブリー!!ブリブリブリブリー!!


 たかしくんはうんこを、元気なうんこを排泄しました。


「これは椅子だー!!」


 スタッ!!


 そして、その上に座りました。


「た、たかしくん...。」


 先生は感動し、泣きました。


 完

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