ガムシロ

 コーヒーを飲みまーす。なぜならコーヒーが好きだから。コーヒーを飲みまーす。


 ガブガブ


 苦い!!


 ピューーーーー!!


 苦かったので、吹き出してしまいました。コーヒーの、噴水です。


「お客様、マナー違反ですよ。吹き出してはいけません。どうして吹き出したのですか?」


 厳ついマスターが話しかけてきます。厳ついです。それはそれは厳ついです。


「ごめんなさい。苦かったもので。」


 苦かったから、吹いてしまったのだ。仕方ないのだ。仕方なし、仕方なし。返答を聞いてニコッと笑う、マスター。


「苦かったんですねーー!!じゃあ、ガムシロを、あげましょう。はいどうぞ。」


 気前よく、ガムシロをくれました。優しい、優しいマスター。


「ありがとうございますぅっ!!」


 元気よく、お礼します。ガムシロを、入手しました。やったね!!さあさあ早速、コーヒーに入れましょう。


 いれいれ、いれいれ


 入れました。


 じゅわわわわわ


 ガムシロが広がっていきます。なんだか、時空が歪んでるみたいに綺麗に広がっていきます。きっと今度は上手に飲めるはずです。飲みます。


 ピューーーーー!!


 また、吹き出してしまいました。なぜでしょう。どうしてでしょう。


「どうしてまた吹くのだね?ガムシロップを、いれたのに。」


 マスターが困り顔で聞いてきます。


「なぜなら私がイカだから。イカ墨みたいに、吹いてしまうの。」


 私は真理を話しました。


「じゃあ、いっかー。」


 マスターも納得しました。


 真理は尊い。


 完

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