ジャンケン魔神

 たかしくんは社会人一年生です。毎日毎日大変です。緊張しちゃって大変です。毎日気を張っています。大変です。大変です。今日も帰ってきてからお風呂に入ってすぐ眠ってしまいました。


「グーグーグー、グーグーグー」


「パーパーパー、パーパーパー」


 ん、なんだこいつは。そうです。ジャンケン魔神です。ジャンケン魔神は卑怯です。眠っている間に襲ってくるので卑怯です。


 もう、圧勝しました。パーパーパーで、圧勝しました。


「へへっ、今日も余裕で勝っちゃったぜ。へへへっ、もうちょっとやってくか。」


「グーグーグー、グーグーグー。」


「パーパーパー、パーパーパー」


「グーグーグー、グーグーグー」


「パーパーパー、パーパーパー」


 ジャンケン魔神は勝ち続けます。一晩中勝ち続けます。しかし、チョッキが、それを見ていたのでした。


「もしかしたら.....」


「グーグーグー、グーグーグー。」


「パーパーパー、パーパーパー」


「グーグーグー、グーグーグー」


「パーパーパー、パーパーパー」


「もしかしたら、自分がこの惨劇を止められるかも知れない.....。」


 チョッキは意を決しました。


「グーグーグー、グーグーグー」


「パーパーパー、パーパーパー」


「チョッキチョッキチョッキ、チョッキチョッキチョッキ。」


「はっ!!」


 ジャンケン魔神は驚き、チョッキの方を向きました。


「まさか、この俺が負けた....」


 負けを確信したジャンケン魔神。しかし、チョキじゃなくてチョッキだったので無駄でした〜。


 ジャンケン魔神は強いんだ。ジャンケン魔神は勝ち続ける。


 完

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