死後の世界
死刑だ!!
ズガーーン!!
私は死刑になりました。死刑になったのはたくさんの人を殺したからです。たくさんの人を殺したので地獄に落ちました。地獄に落ちたので、閻魔大王に会います。
ゴーゴーゴーゴーゴー
地獄です。灼熱の炎がゴーゴーゴーゴーしています。地獄送りにされた人々が並びに並び、並びに並んでいます。
暑いな、暑いな。
私の順番が回ってきました。目の前には、閻魔様。なんか、顔が力強く、赤です。かっこ怖い、かっこ怖い。かっこ怖い、かっこ怖いな。しかし、どこかで見たことがある気がするぞ。そう考えていると、呼ばれました。
「はい、次の人。ええと、たかし。ん、お前たかしか!」
聞き覚えのある声、、、りょうただ。
「その声、、りょうたか!」
りょうたは小中高と同じクラスだったやつだ。小学校の頃から毎日人を殺していたため、私より早く10年前にはもう死刑になっていた。
「お前、今閻魔大王なんかやってんのか。つうかお前みたいなやつが閻魔大王やるなんて、どうなってんだ。地獄、やばすぎるだろ。」
「ああ、地獄はやばいぜ。地獄だからな。」
「え、なんで閻魔大王なんてやってるの?」
「ああ、ここは地獄だからな。悪い奴ほどのし上がれるんだ。でまあ地獄で悪いことしまくってたらよ、いつの間にか閻魔大王様だよ。」
「え、そんな、、、。治安の悪い檻の中みたいじゃ無いか。」
「ああそうさ。地獄の管理なんて誰もやりたがらねえからな。看守のいない刑務所みてえなもんさ。」
「うわあ、地獄だ....。」
「まあお前みたいな、なんだかんだ言っていい奴にとってはここは辛いだろうな。でも天国も酷いっていうぜ。」
「え、なんで。」
「あっちでは良いことをすればするほど上に行けるんだ。だからよ、みんな他のやつより良いことをしようと必死なんだ。それで結局ギスギスしちまってるらしいぜ......。そしてたまに最下位のやつが地獄に送られてきたりする。逆に地獄から天国に行く奴もいるがよ。」
「へえ、どこも、地獄だね......」
完
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