ブランコンバンハ
ブランコンバンハ
誰もいない公園、ブランコ達は挨拶します。
ブランコンバンハ、ブランコンバンハ
私たち人間は眠る事で疲れをとりますが、ブランコたちは挨拶する事で疲れをとります。なので夜、誰もいない公園ではブランコの挨拶が絶え間なく鳴り響いているのです。平均ブランコは一週間に10000回ほど挨拶をすれば健康でいられます。しかしそれを人に聞かれてはいけません。ブランコ族の掟です。最近は夜中も公園に人がおり挨拶できない日が続いていたのですが、今晩は公園に誰もいません。ブランコ達にとって絶好の機会。ここぞとばかりに挨拶が飛び交っていました。
ブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハ
(なぜブランコンバンハなのか、それはブランコたちが、人間は夜コンバンハと挨拶を交わすこと、また人間がブランコをブランコと呼ぶことを学習しそれをなんとなくくっつけたためだ。よってこの挨拶は日本に限ってのものであって海外でブランコ達がどんな挨拶を交わしているのかはわからない。)
その晩確かに人間は誰も公園にいませんでした。空っぽな公園。しかし実は女子トイレに盗撮ビデオが仕掛けてあったのです。これは盗撮太郎さんが卑猥な目的で仕掛けたものでしたが、流石にブランコたちもそれには気づけなかったのでした。ブランコたちは必死に挨拶を交わし続けました。
ブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハブランコンバンハ
ぴちゅんぴちゅん、ぴちゅんぴちゅん
朝になりました。ブランコたちの代わりに鳥たちが鳴き始めます。ブランコたちはたっぷり挨拶できたので満足でした。疲れは全くなくなっていました。
そこに、盗撮太郎さんがやってきました。盗撮ビデオを回収に来たのでしょう。まだ日が昇ったばかりの時間。公園には盗撮太郎さん以外誰もいません。盗撮太郎さんは問題なく盗撮ビデオを回収することができました。
家に帰り早速盗撮ビデオを見ます。盗撮は見事に成功していました。盗撮太郎さんはそれを見ながら色々なことをして、気持ちよくなり、寝ました。
ぐーすか、ぴーすか、ぐーすか、ぴーすか
ブランコンバンハブランコンバンハ
パチリ
不思議な音が聞こえ目を覚まします。ビデオをつけっぱなしにしていたのでした。
ブランコンバンハブランコンバンハ
聞いたことない音です。土星とカマキリが合体したような音です。聞いたことのない音でした。
この音やば!!
盗撮太郎さんは思いました。盗撮太郎さんは盗撮が好きでしたがミュージシャンでもあったので音に敏感でした。
ブランコンバンハブランコンバンハ
ぶらんこんばんは、と、発音しているように聞こえるが、なんなんだろう。よくわからんがこの音はやばい!!盗撮太郎さんは思い、この音だけ映像から切り取り、その日のうちに坂本龍二に送りました。
それを聞いた坂本龍二
この音やば!!聞いたことないぞ!!
坂本龍二も感動しました。この音はその年の音楽界の話題をかっさらい、グラミー賞をとりました。どのようにこの音を録音したかは、誰にも明かされませんでしたが。
完
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