トイレットペッパー

 排便、トイレットペーパーでケツを拭こう。あれ、トイレットペッパーしかないぞ。仕方ない、トイレットペッパーでいいや。


 ふきふき。


 いたたたたた。昨日転んでケツをけがしていたので、しみて痛い。病院に行こう。やっぱりトイレットペッパーで拭くべきじゃなかったな。


 病院に着いた。

「トイレットペッパーでケツを拭いたら、ペッパーがしみて痛いのですが。」

 どれどれ。医者、覗き込む。

「ふむ、確かにペッパーがけつにしみているようだ。これは大変だね。ティッシュペーパーで拭いてあげよう」

 ふきふき、医者、けつについたペッパーをティッシュペーパーで拭こうとする。


 痛い、痛い。


 これは、ティッシュペーパーじゃなくて、ティッシュペッパーじゃないか。


 私は怒っていった。

「これは、ティッシュペッパーじゃないか。ふざけているのか。」

 医者は怪訝な顔をして言った。

「これはティッシュペッパーではない。ティッシュペーパーだ。証拠を見せてあげよう。」


 チーーーーーーーン


 医者は私がティッシュペッパーだと思っていたもので、鼻をかんで見せた。もしこれがティッシュペッパーだったら、くしゃみが止まらないはず。しかし、そのような様子は見られない。


「本当に、ティッシュペーパーですね。」


 確かめるために私もそれで鼻をかんでみた。


 チーーーーーーーン


 ハックチュン、ハックチュンチュン、チュンチュンチュン


 くしゃみが止まらない。やはりこれは、ティッシュペッパーだ。


 ガッシャーーーン


 突然私は鳥かごのようなものに入れられた。どうやらこの医者、さっきのくしゃみの音を、鳥の鳴き声と勘違いし、私を鳥だと思ったようだ。


「君は鳥だったのか。籠の中で大人しくしてなさい。」


 困ったな。身動きがとれないぞ。私は様子を見ていた。


 すると、看護婦が入ってきた。


「あら先生、そのティッシュペーパー使ってもいいですか。」


「どうぞ、どうぞ。」


 チーーーーーーーン


 看護婦も鼻をかんだ。


 パオーン、パオーン


 看護婦もくしゃみが止まらなくなった。やっぱりティッシュペッパーなのかな。


 ガッシャーーーン


「君は象だったのか。檻の中で大人しくしてなさい。」


 看護婦、くしゃみを象の鳴き声と間違えられ、象だと思われてしまったようだ。看護婦は檻にいれられた。


 一体、この医者はなにがしたいんだろう。私は思った。


 続いて、患者さんがやってきた。

 患者さんも鼻が詰まっていたので、ティッシュペーパーで鼻をかんだ。


 チーーーーーーーン


 キリーン、キリーン


 この患者もくしゃみが止まらなくなった。


 ガッシャーーーン


「君はキリンだったのか。そこで大人しくしてなさい。」


 なるほどどどど。この医者は、動物園を、作りたいんだ。納得、納得。


 同様に、フクロウ、ワニ、カンガルーなど、様々な動物が檻にいれられた。

 わあい、動物園ができたぞ、やったぞ、嬉しいぞ。


 次の日から早速動物園は開園した。客Aがやってきた。客Aが僕の前に立つ。

 客A、疑いの目を向ける。無理もない、僕は人間なのだから。僕は必死にジャンプし、鳴いた。


 チュンチュンチュン、チュンチュンチュン


「あなたは人間ではないですか。」


 チュンチュンチュン、チュンチュンチュン


「答えてください。」


 チュンチュンチュン、チュンチュンチュン


「チュンチュンチュンしか言わないなんて、鳥に違いない。」


 客Aは満足した様子で去っていった。次は看護婦の象ゾーンだ。大丈夫かな。


 様子を見ていると、看護婦、とても緊張している。客Aが看護婦の前に立つ。看護婦、緊張のあまり、タケノコの真似をしてしまった。


 ニョキニョキ、ニョキニョキ


 それを見た客A、これは象ではなく、タケノコではないか。せっかくだし、食べちゃおう。客A、看護婦タケノコ、食べちゃった。

 大変だ、看護婦象が、食べられた。医者は焦ってとんできた。


 ピューーーン


「お客様、展示物を食べてはいけません。」

「象と表記されてるのに、タケノコが展示されているではないか。これは立派な詐欺罪だ。訴えてやる。」


 ガガガガガガガガガーーーーーン


 医者、訴えられて、逮捕。


 あっぱれ、あっぱれ


 完

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る