5 逆さま恋慕

少年は言う、それは恋だと。

少女は言う、それは枷だと。


すれ違いざまにあの人は笑った。

別れ際にあの人は嘆いた。


夏の夜に産声をあげた。

冬の真昼に泣声をあげた。


終わりは始まり。

始まりは終わる。


遠くに響く祭囃子、子等の悲鳴、爆竹の音、はしゃぐ下衆、全て怖くて愛おしい。


いつか静寂が僕を包みこんだら、悲しみの海から抜け出したい。

やがて喧騒に君が呑まれた後に、喜びを歌って宙へと飛んだ。

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