第7話 キマちゃんとミオちゃん
突然だがキマちゃんには越えられない壁がある。
それは「姉」。
子供の2才差はなかなか大きく感じるもの。
知識、力、身体的なもの。どれも姉には敵わない。
キマちゃんの姉も癖の強い人で
キマちゃんの自慢癖をましにして
性格のキツさをプラスしたような人。
私も正直苦手だった。
私の姉とキマちゃんの姉の関係はまさに
キマちゃんと私そのものだった。
いや…姉同士の関係の方が悪かったかもしれない。
まるで主従関係があるようにみえたこともあった。
キマちゃんの姉をここで紹介。
名前はミオちゃん。
お気付きの方もいるだろう。
私はキマちゃんの姉と同じ名前。
漢字は違えど、読み方は全く同じ「みおこ」。
これがキマちゃんが必要以上に
私を意識し、特別に自慢したがる理由のひとつ。
ミオちゃんには勝てなくても
みおちゃんには勝てる!といった感じだろう。
名前や呼び名はキマちゃんの中でとても
大きなポイントらしく
キマちゃんはみんなから「キマちゃん」と呼ばれているが
ミオちゃんだけは違う。
キマちゃんを「きまこ」と呼ぶ。
キマちゃんはこれが気に食わない。
でも言えない。
だから私が冗談で
「きーまーこーちゃん!」
なんて呼んでみようもんなら
ブチ切れ、ギャン泣き、キマちゃんママに言いつけの
フルコースが待っている。
それにミオちゃんはキマちゃんよりもずっと
要領が良く、ピアノも勉強も成績優秀。
今になるとミオちゃんが苦手にしていたものが思い当たらないくらい。
キマちゃんは幼いながらそこに劣等感を感じていたのかも知れない。
ミオちゃんの問題は己を優秀であると確信があり
周りの人間を見下すところにあった。
そんな基本的に人を下に見る姉に
超ド級の負けず嫌いの妹・キマちゃん。
火と油、犬と猿。決して交わらないような姉妹。
キマちゃんはもちろん
自分の姉にだって負けたくない。
負けるとわかっているこはしたくない。
だから特に姉妹だけで遊ぶことを避けていた。
同じ家で遊んでいても
姉チームは子供部屋、妹チームはリビング
といった感じがいつもの風景だった。
たまに両姉妹と他の幼馴染たちの大人数で遊ぶと
ミオちゃんをリーダーに取り巻きが発生し
私の姉と私が末端の位置づけに。。
おままごとでは
姉は赤ちゃん(喋るのNG)
私は犬(喋るのNG)
が定位置。
各種おにごっこは必ず鬼や不利な方があてがわれた。
ミオちゃんの立場が悪くなりそうなら
そこでその遊びはルール改訂が入ったり終了したり。。
納得できずに私が泣けば泣かしたまま。
キマちゃんが泣いて家まで帰れば
私がキマちゃんママに謝りに行きキマちゃんを連れ戻す。
こんな扱いはキマちゃんの中学入学前、キマちゃん家族が引っ越すまで続く
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