第197話 神話の戦い

現実放れした戦いになって来ましたが、神と神の戦いを書こうとするとどうしてもこうなって来てしまいます……


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本文


俺達は現在エインヘリャルと戦っていた。

多分今まで俺達が戦って来た中でも最強の奴等だろう。

段違いの強さなのは間違いない。

そして今俺の目の前に居るのは北欧神話最大の英雄ジークフリートだ。


英雄ジークフリートは竜退治の際、魔力のこもった竜血を浴びて全身が甲羅のように硬くなり、いかなる武器も受け付けない不死身の体となる。

しかしこの時、背中に菩提樹の葉が一枚貼り付いていて血を浴びられず、この一点のみが奴の弱点となった。

そしてこのジークフリートを弱点を突いて殺した者こそがハーゲンだった。


さて、弱点は知って居るものの…………そこを俺に正確に突けるかは不明だ。

確かハーゲンはジークフリートの妻であるクリームヒルトにデンマークが再び攻めてきたと嘘を言い、ジークフリートの弱点を聞き出す。

そしてハーゲンは投槍でジークフリートの背中を貫き彼を暗殺する。

だがそれはあくまで味方である筈のハーゲンの裏切りだったからこそ出来た芸当だ。

それに確かジークフリートの持つ剣は神の剣バルムンク、シグムンドの持つグラムと同じ神の剣だ。

神器を纏っていない今の俺の状態で勝てるか? いや、こいつに勝てないようじゃナンムの一族を相手になんか出来る訳がねー!


「神衣を纏わなくて良いのか? お前の力は理解している、充分神衣を纏える力量に達している。だがそれでも俺に勝てるレベルには程遠いが…………舐めて居るなら痛い目に遇うぞ? たとえお前が俺の弱点を知っていてもお前の実力では無意味だ」


「舐めている訳じゃねーさ、俺の神衣はちょっと反則物でな、俺がそれで勝っても俺自信が納得出来ねーんだわ」


「成る程……潔よいのは結構、だが一つ忠告しておいてやる、詰まらん正義心等棄てる事だ、勝てば良い、敗北は死を意味する事を知れ」


「ご忠告ありがとさん、だが生憎正義心何ぞ俺は最初から持ち合わせて無くてね‼ 神衣を着ないのは! テメー何ぞ目的の通過点にしか過ぎねーからだよ‼ 行くぜこの似非英雄‼ 先ずはこれだ‼ ギャラクシアン、エク○プロージョン‼」


健のインチキギャラクシアンエ○スプロージョンがジークフリートに炸裂する、だがその威力は本場のそれを下手をすれば越えているのでは? と思う程の威力だった、プラズマの渦が出来上り、そこには強烈な重力波が出来ていた。

これは健の想像の世界を具現化したGEだった。

本当のGEがどの様な物か解らないが、健はGEは重力波だと考えた。

巨大な重力が出来上がる仮定として、超新星爆発がある、超新星爆発とは巨大な天体が大きくなり、内部の炭素の核融合が暴走し、大爆発を起こす。

内部で核融合の燃料となる物質を使い果たすと、星を支えていた圧力が下がり、重力が極端に強くなってしまう。

すると中心部が一気に崩壊をし、とつぜん大爆発を起こす。

この爆発は、最初の核融合の爆発等非では無いほどに巨大だ。

健はこの重力崩壊を手の平サイズで起こす事を可能とした、これが健番GEである。


ドッゴーーーーン‼


その爆発の中から人影が飛び出した。


「やっぱこれじゃ死なねーか…………」


「いや、そうでも無いぞ、俺じゃ無ければ死んでいた、見ろ‼」


ガシャン!

バラバラバラ…………


ジークフリートの神衣が砕けて行った。


「恐るべき技よ、爆発のエネルギーが魔法やフォルムの造り出すそれを遥かに越えていた。何をやったらああ成るのか…………流石はアグディスティスの息子と言う事か、魔力が桁違いだ。ギャラクシアンエ○スプロージョン、銀河崩壊か、相応しい名だ!」


「これでお互い神衣無しだ、お前に魔法は効かない事は最初から解っていた、今のはお前の神衣を引っ剥がしてお前の弱点を露出させる為にやったんだ‼」


「本当に私に弱点等有るかは解らぬが聞いても答える訳はないか…………」


「当たり前だろ? だが一つだけ教えておいてやる、背中を俺に向けた時がお前の最後だ! せいぜい気をつけろよ? 似非英雄!」


ーーーーーーー


その頃朔耶とサーガが激しく切り結んでいた


「何? あの大爆発…………まさかアグディスティス‼」


「加代子さんでは無いわ、あれは恐らく私の愛する夫、健兄さんのGE!」


「エンメルカル‼ あれほどに成長しているとは…………」


「他所の心配をしている暇は無いのではないですか?」


ガシャン‼


「ち! 遊んでいられなくなったわ、そろそろ決着をつけてあげる!」


サーガが持つ杖が怪しく輝き出す、そこから何とも形容し難いオーラが立ち上った、そして景色が一変し、氷の柩の前に木の長椅子が置かれている。

そしてサーガは何か呪文のような物を唱え始めた。


sökkvabekkr heitir inn fjórði,

en þar svalar knegu

unnir yfir glymja;

þar þau Óðinn ok Sága

drekka um alla daga

glöð ór gullnum kerum.


Sökkvabekk the fourth is named

oe’r which

the gelid waves resound;

Odin and Saga there,

joyful each day,

from golden beakers quaff


「これは…………ノルド語? 貴女はノルドの巫女ですね‼」



「そう、私の名であるサーガとは、何かを見る者、知らせる者を意味するの、そう…………今から貴女の最後を伝える者よ! 氷のごとき冷たき波が屡立つ、彼の者は黄金の杯を手に痛飲して迎えを待つ」


空間が全て氷の柩に納められて行った。


「サヨウナラ、貴女強かったわよ? 人間にしてはね?」


「それはどうもありがとう、でも貴女は神にしては些か弱い様ですが…………」


「な! どういう事! 私の個有空間から逃れられるなんて⁉ 貴女本当に人間なの?」


「人間ですよ! ただちょっと変わった人間ですが…………弾けなさい!」


朔耶の前にセフィロトが立ち上がる、そしてパスが次々と繋がって行く、三柱の柱に全てのパスが通り…………


アイン、アイン、ソフ


朔耶が消える


「転移‼ どこ!」


「ここです……」


「真後ろ! こんな短い転移……⁉ 黒い羽! 貴女神! そしてそれは! 神衣じゃない‼」


朔耶の神衣、健が造った物だ、当然まともな物出はなく…………ピンク色のミニスカ事務服に激しく似せて有るが…………


「私は神では有りませんよ?」


「神衣を纏っていながら、じゃあ何だと言うのよ‼」


「私ですか? 私は…………事務員です、ちょっと変わった」


「馬鹿にして!」


「先程は面白い物を見せて頂きました、固有空間ですか、そのお礼に私も固有空間を貴女にお見せしましょう」


「嘘! …………」


「貴女も巫女成らば…………私も巫女何です、家業でしてね? サファイアフォルム、ケセド‼」


「こ! これは…………川? 光輝いた国…………違う! 向こうは‼ 駄目だ、向こうは行っては! は⁉ 幻覚…………これは貴女が造り出した幻覚ね!」


「幻覚では有りませんよ、言ったでしょう? 私も巫女、今私のフォルムで冥界を引き寄せたのです、貴女が光の方へ歩いて行けばそのまま貴女は冥界の住人と成っていました…………先程の固有空間のお礼に私のもお見せしたんです」


「生意気な事を…………でも互いに魔法合戦は無駄のようね…………成らば……はー!」


サーガの持つ杖から無数の光の珠が弾き出された、一斉に朔耶に珠が襲いかかる


「無駄と言っておきながら魔法ですか、ネツァク!」


朔耶が光の珠を弾き跳ばした、だがそこからサーガが



「言ったでしょう⁉ 魔法じゃないと!」


サーガは光の珠を煙幕に使い、珠に隠れて襲いかかって来た


「終わりよ‼」


サーガの杖が朔耶の首を捉えた



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