第108話 奸計と粛正

今回の作戦ではワルキューレ隊の最大戦力である魔法特化隊と、ASR最大戦力である宝貝部隊の一時トレードをしてある。

合同演習で解ったのだが、ASRの宝貝部隊が神道魔法で戦力が恐ろしい程跳ね上がったからだ。

考えてみれば、化血神刀を使うラフィーリアとルチーナのコンビはマイ○ルの時代は切札だったと言う話だ、当然と言えば当然だ。

よって今回ルチーナタイプを10名、魔力タンクの隊員10名の20名の魔法特化隊と、宝貝部隊の20名をトレードした。


そして…………


「バルトス殿、レムリアの作戦が解りました!」



「本当か、ミスティ王妃!」


作戦を伝えるミスティ


「では引き続き頼むぞ!他の王妃や王姫達にも出来るだけ内情を探るよう伝えてくれ!では」


去ったことを確認し、俺はミスティの首に剣を突き立てた


「ご苦労様、後はこちらで上手くやる、あんたの出番はここでおしまいだ」



「な!顧問殿…………な、何の事ですか?今私は配下の者と出陣前に食糧の確保が出来ているか聞いただけでございます」


「これは便利な道具でね、聞いてみるか?」


俺は盗聴内容をスマホで流した


「ミスティ、他の内通者の事も話して貰おうかのう……」


「ヴァストトゥール様…………」


「無理だろう、恐らくミスティの娘も内通者だ」


「では兄弟、仕方ない。思いっきりやってくれ!」


「オーケー!兄弟」


そして俺はミスティをレムリア禁断の間に連れて行き、、俺の部屋だが……超越者の威厳をミスティに見せつけた


「どうだミスティ、この俺のキャノンが欲しいか?」


「下さい!何でもしますので、どうかあなた様のそれを!」


ミスティは完全覚醒を果たし、内通者の全てをゲロった……


国王の妻は3人、王姫は4人の内通者がいた。そして軍にも5人程いた。

俺達は王妃と王姫の7人は即捕縛、拷問をした。

勿論拷問は俺の部屋での激しいプレイである。

全員に個別にプレイをし、内通者を確認したが、ミスティのゲロった者達で間違い無かった。

俺のプレイ内容を見てた国王が激しくキャノンを膨らましていたが、この際どうでもいい。

一応軍人の内通者は見張りを付け泳がしてある、今後何かと使えそうだ。




そして出陣の日、コトポニアの足取りがおかしい…………

しかも尻をしきりに押さえている…………

兄弟…………出陣の前日は無いだろう…………

コトポニアが睨んでこちらに来た…………


「大和閣下、国王陛下と仲が宜しいのは良い事と思いますが……余り変な事を吹き込まない様にお願い致します」


「え?変な事って?」


「お恥ずかしながら、昨日国王陛下に久し振りに夜伽のお相手を申し込まれましたが……全身を紐で縛られ本来挿入すべきで無いところをしきりにされました……あのような遣り方、天空人様からのお知恵以外考えられません!」


「はい…………善処します……」


「本当にお願い致しますね?まともに歩けません‼」


プンプンと怒りながら去って行くコトポニア、セリナを思い出す……あいつは来る前にタップリと愛でてやったが…………

コトポニアも第二のセリナに成りそうな気がする……



そして俺付きの鴉から報告が来た


「成る程、ではやはりマンジュラは蛻の殻に成ったんだな?」


「はい、諜報で作戦が漏れ、こちらが動く前にサフラに向かっているようでございます」



「目的はメルヘガルか、ワルバラに終結してこちらのレムリア軍を叩き、そのままメルヘガルを攻略する気だな?」



「はい、恐らくそれで間違い無いかと……」


「ご苦労だった、少し休んで行ってくれ!」


「は!では」


「ちょっと待て、大事な物を忘れて居るぞ?」


「…………やはり今日もですか?」


「当然だ!」


パンツを脱ぎ出す鴉の女性


「どうぞ……そして先日お願いしたと思うのですが…………」


「解っている!」


「いえ…………既にお顔に被られていらっしゃいます」


「善処しよう!」


「はー…………出来る限りお願い致します」


「解っている」


全く解ってもいないし、善処する気もない健だった……


ブルセラショップを出た俺は目標変更をこっそりルチルに伝えた


「では浮き舟がメルヘガルの港に着いてから作戦を皆様に話すのですね?」


「ああルチルそうしてくれ、朔達には予めそうなる事は話してある」


「解りました、それと健様?」


「何だ?」


「お顔のパンティは外してから出た方が良いですよ?それだと誰だか解りませんし、下手をすれば変質者だと思われて捕縛されてしまうかも?」


うっかり変態仮面のまま来てしまっていた様だ……

俺はその後国王の所に行き、内容を伝えた。


「では兄弟、全軍をワルバラへ向けるのだな?」



「そうだ、それで兄弟、やって貰いたい事がある」



「おお、何でも言ってくれ!」


俺は国王に作戦の全容を伝え、一種の情報操作を頼んだ、簡単に言うと、俺達は当初の作戦通りに動いた事をそれとなく周囲に流して貰う事だ。

上手くいけば、敵軍を全てワルバラにおびき寄せる事が出来るからだ。


そして浮き舟の第一陣を送ってルチル達が戻って来た。


「只今戻りました、次第二陣の乗船予定の皆様お乗り下さい!」


「ルチル、反応はどうだ?」


「皆様動揺されていましたが、朔上皇様が上手くお話しして下さいました」



「じゃあ第二陣はナーナに説明を頼むといい、俺は最後に乗船するから頼むぞルチル」



そして続々と港へ趣き、既に第五陣迄が、出港した様だ、恐らく船上戦になる。

海での戦いはレムリア軍に任せ、俺達は出来る限りワルバラに取り付き陸で戦う事になる。

最悪俺と久美のヴァーユで船ごと吹き飛ばせばいい、俺の予想では最大の激戦が予想されるのはサフラだ、ワルバラには集まらないだろう。

そしてオリュンポスやアスラ神軍、ティターン神軍、こいつらとの戦いが死闘だ。


最終陣で俺達は浮き舟に乗り込んだ。

港へ到着後ルル達にはレムリアで待機してもらい、ワルバラを落としたら陛下を迎えに言って貰う事になる。

陛下やナーナ、ルチルを激戦地へ出したくない、俺が戦えばそれでと思ったが……負ける事は許されない。

ルチルの最大魔法が必要だ、3人が揃わないと出来ない魔法だ……

港へ付き俺達は本船に乗船した。


「出港ーーー!」


船が動き出す、当然この時代の船は帆船だ、レムリアの造船技術は高い、見事な帆船だ。



「集まったな?」


「主要な者は全員揃いました!」


「よし、船上で敵に情報が漏れる事は無いだろう、ナーナ、念話妨害は大丈夫だな?」


「はい、問題有りません」


「朔、不要な念話をしている輩がいたら、問答無用で叩き伐る様に周知、大丈夫か?」



「勿論じゃ!徹底してある」



「レムリアの方々もいいな?ここでの話は他言無用、俺達は負けられない!裏切りは死罪だ‼」



「勿論です、私達の内戦です、当然の事」



「違うんだコトポニア、今回の戦いは本当の所、レムリアの内戦だけじゃすまない戦いだ!だからこそこれ程迄に策を労したんだ」


「どういう事ですか?」


「俺と国王で昨日、レムリアの内通者7名を捕縛した!コトポニア、それに王姫、あんた達のよく知る人物だ」



「内通者、まだいたのですか……一体誰が⁉」



「詳しい事は後でゆっくり話そう、その前に色々と片付けて置かないといけない事があってな…………そうだろ?国務大臣のセプナーさんよ?随分と挙動がおかしいな……

この季節にそんな汗だくにならなくてもいいんじゃねーか?」


「な、何の事ですか?この部屋にこれだけの人数が集まっているんだ、早く軍義を住ませ部屋で休みたい物だ……」


「だそうだがあんたはどう思う?バルトス将軍、あんたも焦っかきな口か?」


「ま、まあそうだな……」


「そうか、じゃあこの書類、よく見てみろよ!

国務大臣がバルトス将軍から武器買い付けの指示書を承認した書類だ、そしてこっちが国王に提出した最終承認確認の書類だ。思いっきり二重帳簿じゃねーか?」



「見せて下さい…………全て偽造では有りません、本物です。説明をしなさい‼」



「そ、それは何かの手違いです!私は来た書類の確認印を押すだけで内容の精査は全て部下にやらせておりましたので……」


「おいおい、俺達の国の政治家じゃあるまいし、秘書のせいにして逃れようとか思ってんじゃねーよ!ミーシャ太政大臣を甘く見るなよ⁉お前達の癒着は全て露見してんだよ、今頃国王がアニス姫から尋問したお前達の癒着の証拠を全て押収している頃だよ。

それにバルトス、これが何だか解るか?」



俺はスマホを出した


「スマホ?健兄さんまさか⁉……

バルトス将軍、言い逃れは出来なくなりましたね、これは私達の世界にある、言葉を録音出来る物です」


俺はミスティとのやり取りを全てその場で流した



「お前たちを昨日捕らえないで泳がしてたのは、敵の間者との最終やり取りをさせる為だ。

案の定お前たちは作戦の変更が無いと、しっかり伝えてくれたからな、お前達の役目はこれで終わりだ‼」



「ま!待ってくれ!これは……そうだ、脅かされていたんだ、裏切りたくて裏切った訳ではない!」


「ジ、エンドだ…………殺せ、コトポニア!」


「解っております、一族全て皆殺しです!言った筈ですよ?バルトス、セプナー、裏切りは一族郎党皆殺しだと」


「王妃殿下が手を下される必要はございません‼」


ザクッ‼


アルトレアの刃がセプナーの胸に突き刺さった


「ひぃぃぃ」


逃げ出すバルトスへ今度はゴスペルの刃が襲う


「駄目だなー!一人で逃げようなんて」


ザシュ‼

ゴロゴロ


首狩り族がここにもいた……


「死体を片付けよ‼重石を付けて海に放り込みなさい‼」


「は!アルトレア司令!」


「申し訳ありません上皇様、このコトポニアに如何様な処分でもお申し付け下さい!」


「何を言うておる、そなた達に処分などくだそうものなら妾は自分にも処分を下さねばならなくなるわ」



「獅子身中の虫は何処にでもおります、ラムーにも大量におりました」


「上皇、ナーナ親王……ありがとうございます……」


「泣いている暇は無いぞ?コトポニア、内通者はまだいるし、ここからが本題に入るんだ‼」


「はい!ですがまだ……」


「ここにはもういない、だがメルヘガルに残っているんだ。そっちは兄弟とミーシャやセナが上手くやってくれる筈だ」


「王族の内通者は、ミスティやアニスの他は?」


「そっちは昨日全て捕縛したよ!尋問も終わっている。

さて、本当の作戦を話すぞ?今俺達が向かっている場所はワルバラだ、ここに逆に俺が仕掛けた嘘の情報でそれなりの敵軍が集結している筈だ!奴等は港を封鎖している筈、これを海戦に馴れたレムリア軍に撃退して貰う。港の封鎖が解け次第ムー軍が突撃、ワルバラを陥落させる、第一の目標はワルバラだ!」


「その為に海戦部隊と一般隊を別けて乗船させたのですね?」


「そうだアルトレア、そして次の目標はここ、サフラだ!ここが死闘と恐らくなるだろう‼」


本当の軍義が開始された。

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