第83話 念話

健二との会議中


「成る程ね、ならもう遠慮する事ないよたけちゃん、動くべきだ!母さん達も合流したんだから軍をイラクまで進めよう」


「バベルの棟か……だが浩二、実際完成させた所でこの後洪水でぶっ壊されるんだぜ?やる意味在るのか?」


「たけちゃん、勘違いしてるよ?バベルの棟は現代でもちゃんとあちこちに残っている、無くなったのはあそこだけだよ?」


「でも念話が通じないのは……マナか……」


「そう言う事、それに現代人はその器官が衰退してしまったからだ、それが証拠に俺は念話が今使えるしね、多分この世界の人間が現代に行けば棟の付近では念話が使えるよ」


「ピラミッドだな?」


「そう言う事、メソポタミアとインドのピラミッドは神代の戦争で壊された、つまり壊されない工夫をしてくればいい」


「こちらから人足達を送るのは浮き舟使ってもえらい時間係るぞ?」



「現地調達しかないね」



「敵国だった所でか?そんなもん直ぐ反乱だぜ」


「ならこうしよう」


浩二は俺に策を授けたが……


「お前はエグすぎるぜ…………畳の上じゃ死ねねーよ‼」


「たけちゃん程じゃないと思うけど?それに前回の俺は畳じゃ死んでないしね!」


「これだよ!」


「とにかくこちらの手駒は揃いつつある、歴史改変の次期も近いね」


「浩二、一つ教えろ!イナンナは単なる天空人じゃねーな⁉」


「神……とだけ今は言っておくよ」


「神何て存在しねー!」


「そうだよ、たけちゃんの言う通りだ、逢えば解る」


「そいつは間違いなく敵じゃ無いんだろうな?」


「アハハハハ!何を心配してるんだよたけちゃん」


「笑う所じゃねーだろ‼」


「笑うところさ、たけちゃん、イナンナはたけちゃんの子供を何人も産んでるんだよ?」


「ああ?」


「初めて逢った時にたけちゃんに強姦されたのが最初の一人」



「プーッ!んな、な…………ま、ま、マジか……」


「本当だよ!たけちゃんの回りにもその子供が居るんだよ?」


「ま、ま、ま、まさか……さ、さ、桜か?」


「それはお楽しみ、とにかくイナンナは敵じゃないよ、まあ…………たけちゃんの余りの外道っぷりによく愚痴はこぼされたけどね……」


「おい!何をやった!俺は」


「何時もの事だよ!コスプレさせて強姦を繰り返す」



「………………そうか」


浩二と作戦のあらましを立て終えて俺は戦の準備に取りかかっているが…………

今俺は酷くビビっている、もし…………俺の予想が正しければ……頭の中に浮かぶ禁断の言葉……


テテテテン♪近、親、相、か~ん‼ファン、ファン、ぽよよよ~ン♪


ドラ○モンの便利グッズを出す時のように浮かんでくるその言葉……

もしイナンナが自由に時代を飛び越えて魂を植え付ける事が可能ならば、いや、可能だ……

浩二はそうして再び生を得た。

浩二の話では俺はイナンナを何度も孕ませているらしい、それだけ美人だと言う事か……早く逢ってやりた……今はそんな事考えている場合ではない。

つまり今回の事は全てイナンナが仕組んでいる事だ、つまり俺との間に出来た子をあらゆる時代に転生させているとしたら…………

よくよく考えればおかしい…………今はともかく現代の俺がモテる訳が無い……だが一定の女には不自然な程モテた……

久美や朔耶もそうだ、あれほどの女が何故か俺に好意を寄せて来る、楓にしても……つまり……

再び流れる便利グッズ

テテテテン♪近、親、相、か~ん‼ファン、ファン、ぽよよよ~ん♪

と言う事なら説明が付く……

今だってそうだ、若返っただけで昔の俺と変わりは無い、何処にでも居そうな普通の小僧だ……

特にモテる要素は何処にも無い……

だが陛下や桜、朔の一族にルチル達と言った超美形に不自然な程モテている、如何にこの次代が男が少ないとは言えここまで美形を侍らせているのは俺だけだ…………

またもや浮かんでくる便利グッズ

テテテテン♪近、親、相、か~ん‼ファン、ファン、ぽよよよ~ん♪

これなら説明が付く……

マイ○ルは知ってたのか?いや、俺がそれを知ってたらいくらモテるとしても自分の娘とやる道を選ぶ訳が無い!

違うんだ、そうだ、単なる俺の思い過ごしだ‼

そこまで俺は外道ではない!間違い無い……と……………………思う……


引っ掛かる浩二の言葉


『たけちゃんの余りの外道っぷりによく愚痴はこぼされたけどね…』

……………………まさか


とにかく早急にイナンナに早急に逢わなければ、事の真意を確かめねばならない。



緊急会議開催

ここにはルチル達も呼んである、それにココノ達3人も、そしてこれは戦の進捗と他にレムリア使節団との会合の意味も在った。


桜が切り出した

「では始めよう、レムリア王家の方々はそちらの天空人殿の申される通り、我らとの軍事同盟を結びたいとの意向に間違いはござらぬな?」


「はい、私はコトポニア、リム、レムリア、レムリア王族第一王女にございます。我が名にかけて間違いございません。アスラ神軍が戻りし時、ラフィーネさんとリーアさんの事をお聞き致しました、残念ながらこちらにはもうジャーリアは殆んど残っておりません…………

アトランティスにそそのかされた愚か者どもがその殆どを差し出してしまいました、ラフィーリア様の分身体はこちらには居りません。ですが残っているジャーリア達はこちらでできる限り保護しております。連れて来なさい」


「は!」


「数人を連れて来ております、ルチーナ様の分身体の方々です、必死に他のジャーリア達が守っておりました、町に済む一団を助けに木田様がアトランティスの天空人との壮絶な戦いをされたのです」


「ではラッセの町で闘ってたのは」


「そうです、帝、この木田様がジャーリアをお救いする為に。レムリアの王族は猛省しております、ヴァルキュリア伝承を信じていればこのような愚かな事にはなりませんでした……」


そして入って来るジャーリア達……


「創造主様!間違い無い……創造主様ーー!」


「悪かった、助けられなくて……俺は……」


泣き続けるジャーリア達、俺は抱き締めてやる事しか出来なかった


「今レムリアではジャーリア達を一人でも多く救うよう活動中ですが、お恥ずかしい事に王族にもアトランティスと内通しているもの達が居まして、その者達が王に対し謀反を致しました、アスラ神軍もその謀反に加担しております。こちらの精鋭部隊で一度は退けましたが大陸の半分がかのもの達の手に落ちてしまいました。」



「そこで朔耶の案に乗って俺達と同盟って訳か……」


「はい、都合が良いと言われればそれまで、でも何としてもアトランティスの野望は食い止めねばなりません、王は帝に臣下の礼を尽くすとも言われました。どうかお願い致します、聞けばムー統一も間近とか、その後レムリアを取り戻せば上下からアトランティスを挟む事が可能になります。」


「頭をおあげ下さい王女殿下、私達の結論はもう出ております」



「それでは帝!」


「はい、レムリア王家と同盟を結びます」


「一つ頼みがある、そちらのモヘンジョダロ……って言っても解らねえか、簡単に説明するぞ?あんた達レムリアの王族達が済む町の一角、俺や朔耶達の時代には存在してねー」


「え⁉健兄さん?どう言うこと?パキスタンの遺跡はちゃんと……」



「朔耶お前場所がずれてるぞ?今のレムリアはインドア大陸だ、そこにパキスタンの国境は引かれてない、つまりヒマラヤも今は無いんだよ、この後の大陸移動でヒマラヤが出来る事になるんだ」


「いいか、あんた達レムリアの首都にここと同じ三角の高い棟が在るだろ?」


「はい、ございますがそれが?」


「俺達の時代にはそれが無い……そしてその場所はこう呼ばれている、誰も近付かない死の町モヘンジョダロとな」


「……⁉どうしてそんな事に……」


「核兵器、この時代では神代の武器と言われているが、俺達の時代ではアグニ、アグネヤの矢と言われている核ミサイルが撃ち込まれるんだ、そのミサイルがどれ程の威力が在るのか今見せてやる」


俺は実演する事にした、口で言っただけではその威力を実感する事が出来ないからだ、そして浮き舟で朝国の無人の広野に行く


「兄さん、そんな事出来るの?それに核は放射能が」


「大丈夫だ、出ない遣り方でやる、見てろ!これが核だ」


弾けろ!セフィラが弾けて浮かぶコクマーからネツァクへパスが通り集束して輝く


「エメラルドフォルム!ネツァク」

ゴーーーーーーン‼



巨大な光が周囲を覆う、音も景色も全てが飲み込まれ、無の瞬間が訪れる、そして


「サファイヤフォルム、ケセド!」


空間に投影される巨大なボール、爆風も光りも全てがその中に修まる、見ると陛下も桜も、コトポニアも…………

皆がヘタリこんでボールを見つめ震えていた。


「これが核兵器だ!俺は今それを自らのフォルムで作り出したが……」



「な、何て出鱈目なフォルムなのよ!あんな無茶苦茶なフォルムどうやって造り出すのよ!」


「朔耶、お前だんだん久美に似てきたな⁉」


「え?あ!……ごめんなさい……」


「木田様、彼はあのマイ○ルジャクソン、最強の天空人何です、今その意味がやっと解りました……そして、これが我が国の都に撃ち込まれるのですね?」


「ああ、そうだ……こいつが撃ち込まれる」


「今更なにを足掻こうと無駄なのでしょうか?運命に身を任せるしか…………」



泣き出すコトポニア


「おい!何を諦めてンだよ?」


「え?でも……これが我が国の都に…………」


「俺が何の為に態々こんなもん見せたと思ってるんだよ⁉」



「それは……え?」



「いいか、よく聞けよ?今起きた内戦が集束しても直ぐにまた起きる、それは歴史が証明しているんだ!そしてそのまま繰返し続ければ、これを撃ち込まれるんだ!だから俺が言う頼みとは、反乱者を許すな!全員捕縛しろ!赤子たりとて、皆殺しにするんだ!全て根絶やしにしろ!でないとこれを撃ち込まれる事になる‼

俺が態々見せた理由がこれを言いたかった為だ、中途半端な説明じゃ決心が鈍るだろ?」


「ねえ、兄さん……モヘンジョダロの遺跡後の事は私も知っています!でも本当に核何ですか?そんな時代に核何て」


「有ります、私が一度使いました、我が国の街に……」


「ルチルさん……」


陛下が泣きそうだ……


「あそこの緑色に変わった大地を見てみろ、あれはテクタイト、お前もパワーストーン何かで知っているだろ?あれは高温で熱せられた砂や岩石等が瞬時に冷やされると硝子化して出来る物なんだ、それに今はレムリアでラピスラズリ何て取れねーだろ、所が俺達の時代ではどうだ?あの辺りがこぞって原産地だ、ラピスラズリは接触変成作用で出来る結晶石灰岩、熱編成で出来た石灰岩から産出するんだ、つまり激しい熱を帯びた石灰岩があの辺りにこれからゴロゴロ出来るんだよ!理由は一つしかねーだろ!核戦争だよ」


驚愕の事実の前にただ座り込む朔耶とコトポニアだった

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