核心編

第57話 発起するジャーリア達

カーヴァル近郊の峠道、海が見える、富士山があんなにくっきりと……

俺達は確か北上してきたはず、剣山があれだとすると、本州と四国はまだこの時代はくっついているんだ……

そう考えると、やはりノアの方舟は……

マグマの海だ

そんな事を思いながら、セーラとの念話内容を待っていた、すると


「健様、解りました、この道を下ると直ぐに1件の山小屋が有ります、その地下が隠れ家だそうです、鴉の1人を案内に出すとの事です。」


「解った、周囲に敵の気配が無いか充分注意するよう伝えてくれ!」


「畏まりました」



「ルチル、もうすぐ遭えるぞ」


「はい、健様……」


泣いている、なんだかんだ言ったってやっぱり家族なんだ、会いたいに決まってるよな



「やっとルチルとの約束が守れそうだな!」


「健様ーーーーーー!」


「おいおい……」


ルチルが飛び付いてくる、俺は抱き締めて頭を撫でてやった、可愛いなチクショウ……


「よし!出発しよう」


そして鴉が道の前方にいた


「松田殿ご一行でございますね?」


「そうだ、ご苦労様」


「ありがとうございます、こちらです、ご案内致します」



そして小屋が見えて来た



「母さん、おかーさーん」


ルチルが手を振っている、そして


「ルチル‼ルチルーーーーーー!」


一人、疲れきったような女性が走ってくる、歳の頃50代半ば位、でも、マジか……スゲー美人だ……


白い物が所々混じっているその長い髪を振り回しながらも、その女性は一目散に走ってくる、そして抱き合って喜ぶルチル


「お母さん、私、私」



「ルチルとの別れの経緯は聞いてるよ、ルシアさん、もう離れなくて良いからな!上皇からの命令は聞いたろ?」



「創造主様!やはり、本当に創造主様だったのですね?」


「俺は松田健だ!それ以外の何でもないさ!ルチルは俺の女だ、お前達も俺の女になるんだ、いいな?」


「はい!ですが……セーラ様からは大丈夫と言われていますが、本当にこのような私で勤まるのでしょうか?」


「セーラの説明が足りていない様だな、俺はルチルの様なロリにも充分魅力を感じるが、お前の様な熟女にも、大人の魅力を感じる事が出来る、オールラウンダーな男なのだ!」


「主人は充分な外道です、きっと貴女にも激しい変態行為を……」


「おい!アンナそれは…………」



その時だった、俺は硬直した、肖像画に有ったそのままの、いや、それ以上の女神が目の前に現れたからだ



「創造主様、お待ちしていました、長い年月、もう創造主様のお顔すら思い出せないのに、でも……貴方は創造主様ですね、間違いなく、感じられます、あの暖かい温もりを……」



ここでルチルの家族構成を紹介しておこう


ルシアーールリナーールナーールチル

、、、、、、└─────ルチアールララ

、、、、、、、、、、、、└───ルル


と言う家族構成になる、まあ……なんだ……

今は武官だからいいが、これなってなかったら俺死んでたな……


「お姉さん、ルチア」


「ルチル、よく無事で、貴女の姿をあの動く絵で見せられた時は、信じられなかったわ!でも本当に……良かった」



「旦那様、ご無事で何よりです、これお返ししておきますね!他のジャーリア達にこの動画と言うのを見せてルチルの家族を捜してたんですが……ちょっと大変な事になってます」


「なんだ?大変な事って」


「ジャリーア達が一斉に発起しちゃいました……」


「なぬぅ!」


「それとグレムのジャーリア達が間もなく到着、敵部隊に仕掛けるようです」


やはりリリ達か……


「後……よろしければお貸し頂く時には他の女性のいやらしい動画を出ない様にして頂けると助かります、操作を間違えて何度か女性の悲鳴が大きな音で流れてしまいとても恥ずかしい思いを致しましたので……」



「…………ああ……解った」


実はジャーリア達にはまだ秘密が隠されていた、ルチルから聞かされたジャーリア達の使命の一つ、それは俺が再び戻った時には俺の元に再度集結して、俺と供に戦う事、そして俺を唯一感じる事が出来るルチーナタイプのジャリーアを街で必ず1家族守り通して、俺が戻った場合はルチーナが至るところに残した念話球を起動して、世界中のジャーリアに集結を促す、そしてルチーナの一族がその念話を受け取った場合はジャーリアの部落全員にそれを伝え、一斉に俺の元に集う。

そしてその念話球がシオンの一番近くに有るのがここカーヴァルなのだ。

グレムのジャーリアには俺のマイサンがかなり世話になった、その中でも一際俺のマイサンをまるで我が子の如く可愛がってくれた、ルチーナタイプのジャーリア、リリがいた。リリはルチルと差ほど歳の代わらないジャーリアだが、何故か率先してマイサンを気にかけてくれた。

そのリリこそがグレムにたった一人生き残っていたルチーナの意思を継ぐグレムのジャーリアだった。リリは俺がマイ○ルである事を何度も肌を重ねる事で感じとり、俺の動きを他のジャーリア達の協力の元監視し、俺が陛下の味方をする事を知ると、即座にカーヴァルへ念話球を取りに行く為、グレムのジャーリア達を一斉蜂起させた。

現在カーヴァルへ進行、この付近で戦闘を行っているとの事だ。


「さて、ルチル、折角家族全員で合えたとこ悪いんだけどな、お前の言ってた念話球、早いとこ使って貰いたい。

この動きを掴んで他の街の反乱軍の領主達がジャーリア達を発起前に抹殺しかねない」


「解りました、念話球の場所へは私もルチルと動向致します、あれの扱いはまだルチル1人では心許ないので」


「解ったルシア、頼む」


「貴女達はここで待っていなさい」


「解ったわ、母さんもルチルも気をつけて」



「セーラとセフィリア他2名はここで待機、ルリナ達の護衛を頼む」


「は!」


「よし!行くぞ」


俺達は一路ルシア達の案内に従いすすむ


「あの丸尾砦を越えないと行けないのですが、今は反乱軍の……え?」


砦からは黙々と煙が立ち込めていて、辺りには敵兵と思わしき死体が累々と散らばっていた。


「後方から!同族ですね……」



ルチルが感じたのはジャーリア達のようだ


そして馬にのって現れたのは


「マリーダか!それに、リリじゃねーか」


「健様ーーー!」


「マリーダさん!リリさん!」


「ルチル?」


「おい!リリ、お前俺がマイ○ルだってわかってた見てーじゃねーか、何で言わねーんだよ」



「ごめんなさい、でも……ルチルさんも言ってませんでしたよね?」



「まっ、まあそうだけどな……」


「あの時はまだ健様転移されたばかりで、お話するのは早いと思ったんです、でも健様はラ.ムーにお味方すると解って、念話球を取りに来たんですが、もしかしてルチルさんはカーヴァルのルチーナだったんですか?」


「はい、こっちがお母さんで……あっ!……ごめんなさい……リリさん家族はこの間の魔物の襲撃で……」


「気にしないでください、ジャーリアの宿命に従っただけです」



「リリ、俺はその宿命をぶっ壊す為に居るって事忘れるなよ?マリーダも、お前達もな!」


「は~い!」


「はー……マリーダ、お前ラフィーネに代わって代官になったんだろ?いくら念話球が必要でも、メンツもう少し考えられなかったのか?」


「仕方ないですよー、グレムのジャーリアはもう200才以上は私とエメリアしかいないんですからー」


「それにしても砦はもう攻略できてたんですね、思ったよりも帝軍が奮戦を……あっ!ルチルさん!」


「騎馬隊です!およそ500、来ます」



「迎撃用意!ワルキューレ隊は前面に出ろ!」


「ルシア、ルチル、リリ!下がってろ」


俺も前に出る、が……


「健殿、あれは帝軍です!」


そういってセレスティアは駆け出す


「待たれよ!こちらはラ.ムーカーヴァル方面攻略軍本隊、マルティアブレスだ!その鎧、近衛師団の者とみるがいかが?」


「如何にも我が身は元近衛師団第三小隊隊長セレスティア、現在は天空人松田健様率いるワルキューレ隊小隊長です」


「おお!天空人様がいらしてたのか、それなら砦が攻略されたのも頷ける‼」



「我らは今しがた到着したばかりですが?」



そして俺達は砦へ向かった、待っていたのは……ジャーリアの子供達だった……


「ねえねえ、もしかして創造主様じゃない?」


「そうよ!多分創造主様よ!」


「パティに知らせなきゃ!」


ワーー!


と言って中に入って行く、そして


「貴女達ちゃんと見はりをしてなさいって言ったでしょ!皆で来ちゃって……」


「でも多分創造主様だよ~?」


「呼びに来るのは一人でいいの!」


中から聞こえて来る会話……あれ見はりだったのか……


そして


「帝軍の皆様、私はカーヴァルのジャーリア部落で代官を務めております、パティです」


「私はカーヴァル方面攻略軍大将軍のマルティアだ、この砦の奪還は誰が?」


「私達です」


「ジャーリアには上皇様より戦闘放棄の沙汰か出ている筈だが?」


「人を殺められない者だけと聞いておりますが?」



「人を殺めたと申すか?」


「ここに来るまでに敵兵の亡骸を見てこられたと思います」


「盟約はどうした……」


「わりいが押し問答はまたにしてくれマルティア」



俺は帝軍の者達を押し退けて前へ出る


「お待ちしておりました、創造主様、何れだけの年月経ったかもうわかりませんが」



「すまねー、悲しい思いをさせて、だが俺はまだ記憶が無い、ルチル達、いや、ルチーナとラフィーリア達からお前がレムリア侯爵令嬢のパトリシアエメラルドだと聞いている、そして俺の女の1人だった事も……俺はこれから記憶を取り戻しに行く、力を貸してくれるか?」



「死してもお供致します」



「創造主様ー!」

と言ってちびっ子達も群がって来た



そして砦から海岸へ向かう途中、森の中に佇む祠の中


「これが念話球です」



「何だ……このむせ混みそうな程の強烈な魔力の塊は、これ程の魔力をかつての帝がたった一人でこの珠に封じたと言うのか?」


「そうですよマルティア様、私達レムリアの貴族も魔力が高い者が多かったのですが、ルチーナ様の魔力量は私達の100人分位は有に保有しておりました」


「100人分の魔力?そんなバカな!その様な人間が存在したのか?」



「私達ルチーナの分身体も皆懸念しておりました、年々人々の魔力量が減って行くのが解ったからです、帝の魔力量でさへ、かつての私の三割程度しか保有していません」


「ルチル、お前そこまでわかるのか?」


「健様、魔力探知はジャーリアなら皆出来るんです、ただ神道魔法を極めた者ならその魔力の流れや特徴で個人を見分ける事まで出来るように成ります。これは何も私だけでなく、帝やナーナさんも出来ますよ?」


「マジでチート能力だな……」


「じゃぁお母さん、リリさんも手伝って下さい」


「ルチルはそこに、リリさんはそこに、謳いましょう」


そして恐ろしい程の何かが解き放たれた


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