第46話 帝都シオンへ

現在俺達は帝都までもう一歩と言う処まで来ていた、ブローマとリグ改めマリナは完全にこちら側に寝返った。

寝返ったと言うよりマリナは元々アスラ神軍に忠誠を誓っていた訳ではなかった。

奴隷で飼主もなく親もいない捨子で、個食の様な生活を送っていた時に、強い魔力量を見込まれ戦闘奴隷となる。

そこで実績を見込まれアスラ神軍の一人になる、宝貝は元々魔力を蓄積していて扱いに魔力は必要としないが、那託は別だ。

あれはコロイド技術で作られており、核となる物質に魔力を流すことでコロイドを発生、周囲との凝析により那託を実体化させていた、だからどんなに攻撃してもゼリーを切っているのと同じでコロイド及びナノマシン技術も含まれ即座に再生してしまう。


俺はブローマの話からそれを連想、コロイドを更に加速させる為に電解質である塩を利用、完全に水と分離させる事を思い付いた。

那託を失ったマリナはまた戦闘奴隷に戻されてしまうのを恐れ、俺達に付いた。

次にブローマだが、既に裏切るのは既定路線だったようだ、神話にあるデーバ神とアスラ神の確執は本当だったみたいだ。


マリナは完全に俺になついてしまった、なぜか俺の馬の前に乗っている、年のころ6才前後、もう100年くらいたってから出直して来て欲しいものだ……


その後ブローマは俺の事を兄貴と、マリナはお兄ちゃんと呼ぶ様になる、マリナはいいが、おいブローマ!お前の方が遥かに年上だろ


俺達は丁度いい場所を見つけ、ここで昼食を取ることにした


「でもお兄ちゃんてすごいね、ちょっと話聞いただけで神器の原理まで解っちゃうんだ。ブローマの神器はどうやって破ったの?」



「おお兄貴は俺の頭をぐり…………」


「オーッホン!それよりはブローマ、シャチー達家族の方は大丈夫なのか?」



「ああ問題ねーよ兄貴、実は俺の一族は皆ヴェスティア領からカーヴァルって街に応援に行くために移動中なんだ、そこで帝軍に寝返る算段が既に付いていてさー、俺の家族もそこに同行してるんだよ」


「それは心強い事です、噂に名高いレムリアのアスラ族が我が軍にお味方下さるとは」



「知ってるのか?陛下」



「知っているも何も、アスラ神軍はアスラ族の勇猛さからその名前を付けられたのですよ?健様」



「でもデーバ族とアスラ族の確執の根は深いのですね」



「ナーナも知ってたんだ、それ」



「はい、久美がこちらに来る前からの事ですが、レムリア内で何度か内戦の噂を耳にしました」


「兄貴、俺シオンについたらひと休みさせて貰って直ぐに家族を迎えに行くよ!一族の事も気になるし、兄貴に早くシャチーを嫁がせたいしな」



「ブローマ、それには俺も着いて行く、陛下、いいな?」


「天空人である健様に私が何かを強制する様な事は致しませんが、行くのならば兵を率いて行っていただきます」




「お願いがございます帝」

突然ここでセレスティアとセフィリアが陛下の前にかしずく


「どうしたのですか?二人とも」


「はい、私ども第三小隊12名、健殿の配下に編入させて頂きたいのでございます」


驚く帝とナーナ、

「それはまた、どういった理由でしょうか?私の直属である近衛師団の皆様です、それなりの理由がおありでしょう」



「はい!それは、帝への忠誠心と言うものを改めて健様に教えて頂いたからでございます。

故に、健様の元で再度修行いたしたく、皆で話あった結果でございます」



何かこいつらは勘違いをしている、だがこの場合、間違いを正そうとすると確実に土坪にはまるのが最近の俺だ、ここはスルーしよう


「さて、どのような所でその様に感じられたのでしょうか?」



「はい、ナーナ様から健殿へ対する帝の思いを聞かされた時、健殿はこう申され大激怒されていました。無垢な幼い子供の思いを己の出世欲で汚しやがって!と……私はその時にお恥ずかしながら、考えていた事は、どのようにナーナ様をお逃がしするかだけでした。ですが健殿は、帝のお心を守ろうとなされた、忠誠心の次元が遥かに違うと感じられました」



うん、完全に勘違いしている…………俺はあの時確かに怒ってたが、それは盗撮の事だ、まあ陛下は真赤になってるし、都合がいいからそのままにしておこう。


「なーんか健兄さんぽく無いのよねーそれ、そう言うときの健兄さんは大概別の理由なんだけど、さっきの小水だって本当はリグを倒す為ってのは建前で、何か狙ってたんじゃない?」


そこでマリナが更に余計な事をさらりと言う

「あーあれ小水だったんだー、頭からかぶってたやつでしょ?」


「あっ!頭からかぶったのですか?」


「ちっ、チゲーゾ!ナーナ、あれはさっき説明したろ!リグを俺が押さえてないと、万が一外したらもう俺だって余裕無かったんだよ‼」


なんだこれは、全員真赤になっている、セレスティア達近衛も、レイラやセーラ、ナーナや陛下も…………

そういえば、あの桶は結構でかかった、この軍は半分以上男だがあの戦闘だ、全員出払っていただろう。

つまりあの桶にあれを並々満たすためには……そうだ!陣にいた全員の‼


健はかつてない興奮を覚えた、そう、やはり健にはご褒美だったようだ


「良かったねお兄ちゃん、お姉ちゃん達の浴びれて」



「おう、そうだ……て、チゲー!もう行くぞ、日がくれちまう」




そして第三小隊はおれの配下となった。


話はここで変わる、帝都に到着する前に陛下はひと芝居打っておいた、これは俺達がスムーズにシオンに入れ、不便をしないようにと言う気使いであった。


斥候を出し、シオンで幾つかの情報操作をしたのだ。

と言っても別にどこかの国のTV曲の様な捏造ではなく、真実をいち早く国民に知らせただけなのだが、内容はこうだ。

ラ.ムーに新たな天空人降臨する、この天空人は戦で消耗仕切ったジャーリアを命がけで助け、その後ゲルタの街の魔物の大軍を街のジャーリア達と供に撃退して街を無傷で守る。

魔物の大軍は数百いたが、天空人とジャーリアにより全て灰塵ときす。

そこで得たりジャーリアの仲間と供にナーナ親王が教われた古代魔獸ヒュドラを一瞬で葬りさる、

天空人はナーナ親王救出の為出陣した帝軍と対に合流、数で上回る反乱軍の追撃部隊を壊滅、またこの天空人はジャーリアの仲間と少数で、アスラ神軍と激突、3人のアスラ神軍を打ち取った。

以上が先行して出された情報だ、これは現在も続いているジャーリアへの不遇を緩和させて、同時に俺と一緒に同行しているルチル達の処遇を考えての事だった。


「見えたわ、あれが帝都シオンよ!」



「デケー街だなーあれじゃまるで日本の一都市とかわらねーな」



「そりゃそうよ、人口約80万人の街ですもの」



「マジか、そんなに居るのか」


そして俺の妄想がまた広がる、この世界の出生率は、男は女の100分の一、つまりこの帝都にには何十万人と女が居るわけだ、女だらけだ‼


懐かしい曲が俺の頭に流れる


走り出したら止まらないぜ!♪

土曜の夜のベッドさー♪


少しちがうがこれが俺のスタンダードである


「何かまた禍禍しい気が吹き出ている様ですが⁉」


「気のせいだ、アンナ」


「旦那様!カーヴァルに行かれるのは良いですが、私達の新居を皆で決めるのが先ですよ?久美様、それで良いですね?」



「あっ!うん……そうだ、私健兄さんに……」


『久美が真赤になっている、こいつ可愛いとこあるな……』


「健様……今日はちゃんとレイラにも、その、ご奉仕させて下さいね?」



『………………⁉そうだ、そうだったのだ!俺は今日、8人もの女達との壮絶な夜のバトルを繰り広げなければならんのだ!なんと言う僥倖、なんと言う……』


そして想像をした俺はキャノンをスタンバらせてしまう、続けて行き場のない高血圧の血が対に粘膜を突き破る


「お兄ちゃんお尻に剣ぶつけないでよー!」


ゴキ‼

「はぅわぁ!」


「あー!汚いなー!鼻血頭に垂らさないでって……お兄ちゃんこの固いの何?剣の柄にしては太いんだねー、でも柄にしては短いからダガー?」


「あぁぁぁぁぁ!」


ゴキュゴキュと俺のキャノンを押し込もうとするマリナ


「でも邪魔!これマリナが持っててあげるよ!」


と言って引き抜こうと力いっぱい引っ張るマリナ


「あほぉぉぉぉぉ!いてー!いてーー!」



俺は対に幼女にキャノンを弄ばれてしまった

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