第41話 戦いの序章

俺達はその後多少話してから本当に睡眠に入った。

遺伝子操作の知識を俺が何処から得たのか?それは天孫降臨の地に行かないと解らないとして、消滅させられた俺が現在ここに居られる理由は簡単だった。

あくまでも予想ではあるが、時間軸の問題と元の世界での死だ。

この世界に天空人は何度も来訪している、だから天空人の研究はかなり進んでいる。

天空人は例外なくどの天空人も若返っているらしい。実際久美も年齢が10才位の容姿になったそうだ。

これもあくまでも過程の話しになるが、元の世界での経過年数と知識量等、様々なものを総合的に判断してこの世界のマナが転移したと同時に肉体を造るらしい、つまりその時点で天空人は半霊体の体構造を持つことになる。

これはそれこそ神話の時代でのギルガメッシュ等、半神半人と同じだ。

最も俺達天空人がアヌンナキなら神で間違いない、俺達現代人はそれを神と呼んでるのだから。


話しは逸れたが肉体と魂は別である、これは現代物理学でも否定していない、詰り魂さえ死ななければ人間は何度でも転生出来る、肉体は単なる乗り物に過ぎない、丁度古くなった車を代替えするのと同じ理屈だ。

だが半霊半物質となった天空人はこの世界では寿命が極端に伸びる、実際過去三千年近く生きた天空人が居たらしい。

また話が逸れたが、ここからは過程の話しになるが、仮に俺が過去この世界に3回来たのなら、当然俺は元の世界に戻った事になる、実際に過去の天空人が300年で戻った者が居たとの記録がこの世界に残っている。

実際に戻れたのかは不明らしいが……

久美がこの世界に転生したのが約120年前、だが現代世界ではどうか?そう3日だ……

つまり時間軸はこの世界での40年が1日と言うことになる、そしてエーテル体と物質体をもし分離させる事が出来ればどうなるか?物質体だけではこの世界に留まる事が出来ずに元の世界に戻れるかも?と挑戦したのが過去に帰ったとある天空人の記録。

そしてこの無謀なチャレンジャーが要は過去の俺と浩二だったのでは?

そして過去の戻った天空人、つまり俺は元の世界では、7日の行方不明で済んでいた事になる。

要は消されたと言うよりマイ○ルは霊体と物質体を分離しただけなのでは?と言う想像が成り立つのである。

それなら過去のマイ○ルが一人で無謀にも敵に挑んだ理由が解る、ルチル達は甦らないが、マイ○ルなら甦る事が出来る 。

記憶を取り戻せば前回帰れた実績が有るんだから、分離すれば良いだけだ、死にャーしないんだから無謀な賭けにも出れる訳だ……


しかし……

さっきの話しだけで皆この過程まで辿り着けたのに……

俺って奴は…………認めたくないが…………俺はこの中で一番頭が悪い……


俺はその後ヴァルキュリア伝承の事以外の、つまりラフィーネ達が軍神と呼ばれていた事だけ聞いた、話しを合わせるために驚いておいた事は言うまでも無いだろう



ーーーーーーーー



処変わってベスティア侯爵領、ベルガ



「客人、貴方が付いていて、みすみすナーナを取り逃がすとは、どう云うことかな?レムリアの誇るアスラ神軍も程度が知れている様だな?」


「ベスティア侯爵殿、素っ首叩き落とされたくないのなら、それ以上口を開かない事ね‼」



化血神刀がベスティアの首筋に張り付く、冷汗をかいて黙り混むベスティア



「止めろ!ミスラ、それより久美以外の天空人が出てきたと言うのは本当か?リグ」



「そうだね~、面白い人だったよー!アンダカも今度闘ってみなよー、楽しいよ~」


「名は?なんと言う?」


「えとねー!上の名前はタクシー、下はカモン様……だったかな?」


最早別物に変わっていた……



「タクシー、カモン?本当か?ミスラ」



「本人はタキシード、仮面様と名乗っていましたが、どうせ嘘でしょう」



「………………リグにミスラを付けといて正解だったな……」


「酷い言い方だな~」


「まあ、とりあえずヴァルナ様への報告は俺がしておく、ブローマが付き次第再度攻撃してくれ、次期に付く外だ、このまま帝一行を血祭りに上げろ、シオンに入られれば厄介だ、ベスティア殿も部隊を勿論出して頂こう、いいかな?」



「勿論だ、騎馬隊700は直ぐにでも」


「上場だ!今日の夜にでも出陣してくれ」


「アンダカー、今度は邪魔しないでよね~?僕の楽しみを邪魔したら今度は許さないよ?」



「ああ、解った!思う存分あそんでこい」


ーーーーーーーー



俺達は結局翌日には出発する事にした、急な宿泊で500人からの兵士に出す補給物質が街で十分に調達出来ない事が解ったからだ。


出立は10時、勿論この世界に時計など無いので、俺は久美にガラ携を渡しておいた。


「出立30分前よ、将軍、各部隊長に伝令、即座に用意を済ませ、東門前に集合せよ!」


「御意、部隊長を広場に集めよ‼」



「お前が大将軍とはね、随分板に着いてるな?」



「悪いけどもう50年はやってるのよ?いい加減馴れるわよ」



「俺はお前に会ってないのは2週間位なんだぜ?」



「そうなのよね~、変な感覚よ!」



「では出立致しましょう‼久美、健様」



「帝 、用意はいいの?」



「はい、万全です!」



「久美、前もって言っておくが、昨日俺がやりあった相手、アスラ神軍って名乗ってたぞ?もし神話の相手なら……ヤバイ奴らだ」



「アスラ神軍?健様 今アスラ神軍と仰りましたよね?」



「なんだ?ナーナは知ってるのか?」


陛下がマジ顔で俺を見て来た、そして


「知らない者などこの世界にはおりません、レムリアのアスラ神軍、アトランティスのティターノマキア神軍と言えば、かつて地上に降り立った最強の天空人の末裔達で作られた最強の部隊です」



「んで?その最強の天空人とやらはもしかして、ヴァルナとクロノとかレアとか名乗ったりしちゃってたのか?」



「よ……よくご存じですね……ご記憶が戻られたのですか?」



「俺達の世界の伝承で残ってるのさ、まあ俺も何かで名前がこれから残ったりするのかな?」


「健兄さん本当歴史強いよね、あたしが名前出てくるのクロノとレアだけだよ……」



「とにかくだ、奴らまだ完全に引いたとは限らない、俺が闘った奴らの武器の対処法を全て教えておく」



「ちょっと待って下さい、健様はアスラ神軍複数と闘ったのですか?よくご無事で……」

ナーナが焦りながら言う



「実際にやりあったのはリグって野郎だけだよ、女かと思ったら男でやんの」



「……それで男って解ったからキレて闘ったんだ……本当スケベよね……」



「ちげー!そいつの武器がマジで洒落んなんねー武器だったからマジでやりあったんだよ!」



「乾坤圏でしょ?嘘でしょう?」



「ああ、神器宝貝だ、多分あれが元で神話が出来たんだろうな!正にあの通りの威力と動きだったよ」



「その様な武器、対処のしようがあるのでしょうか?」



「それは大丈夫です、主人に教わり私も避ける事が出来ましたから」



「アンナ様も闘われたのですか?」



「はい帝、迎撃に出たのは主人と私、ラフィーネとリーアの4人、アスラが出てきて私は主人の不利を知り、助太刀に参りましたので」



「とにかくだ、リグとミスラが両方来た場合、俺がリグとやる、久美とアンナでミスラを……」



「お待ちください、健様!ミスラは私とリーアでお相手致しましょう」



「ラフィーネ?お前なに言って」



「化血神刀は元々ミーシャ達の持ち物なのだーーー!」



「なぬう~?」




「ラフィーリアが軍神と呼ばれていた頃に使ってたのがあれなんですよ?健様」



「セナ…………でも大丈夫か?お前達この間迄剣の使い方まるで……」



「健様、よくお考え下さい、アーカーシャにも繋がっていない者が僅か数日で健様と互角に撃ち合えると本当にお思いですか?」



「いやお前の教え方が良かったのかな?と……」



「もし本当に私の教えであそこまで出来たなら、私はラ.ムー最強を今頃名乗らして頂いております」



「大丈夫ですよ、健様、必ずミスラの首は健様の御前にお持ち致します。正体も隠す必要は無くなりましたし、少々昔の記憶を呼び戻す事に致します。」



その時俺は感じた、まさか俺が感じることが出来るとは思わなかった、これが殺気って奴か……俺はまさかあのラフィーネからそれを感じる事になるとは思わなかった

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