170718「君が辛いままなら嫌だよ」51

 友人から警邏を引き離し、僕はただがむしゃらに走った。

「もう、無理かな」

 路地裏に腰を下ろし一人思案する。彼は無事逃げられただろうか。

「バカ野郎!」

 死を待つ僕を聞き覚えのある声が叱責した。

「なん……で?」

「一緒に幸せを掴むんだろ。君が辛いままなら嫌だよ」

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