170710「私の傷ならよかったのにね」43
「ねぇ痛い?」
「あ……あぁ…………」
私の問いかけに彼女は嗚咽を漏らした。ナイフを中心に真っ赤な花弁が咲いている事だろう。目の焦点は合っておらず、まさしく血の気が引くのがわかる。
「私の傷ならよかったのにね」
私が命を落とすよりほんの少し早く、彼女は気を失った。
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