170708「使い捨てるには愛しすぎた」41

『ワタ、く……シの使……命ハ、コ……こまデのヨ……うデす』

 錆びついた歯車を軋ませ、ソイツは静かに終わりを迎えた。稼働から何十年経っただろうか。親兄弟はもとより、妻や子より長い時間を過ごしてきたことになるか。学徒時代の手慰みに作った物だが、使い捨てるには愛しすぎた。

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