170608「その涙の理由もこの震えの理由も知りたくない」11

「剣を取れ」

 師匠の言葉に僕は反射的に剣を構えた。あちこちから聞こえる怒号、剣戟、爆音、そして法螺貝の音色。集中なんて出来やしない。その涙の理由もこの震えの理由も知りたくない。でもーー

「いきます!」

 違う旗に集った僕らが対峙したのを無視する事もまた出来なかった。

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