毎朝の儀式

今日もまた様々なデンパの飛び交う道を

それとは関係なしに道沿いを走ってる

無関係な車たちが脇を飛ばしていく

まだ空の明けきらぬ頃


まだ寝静まった街並み

風を切って風と共に駆けつけていく

見た事のない景色なんて知らない

ただ季節の移ろいだけが色合いを変えるよ


続く続く道

それはどこまでも果てがないみたいで

幼い頃はずっと知らない所に繋がってるって思ってた

まっすぐ伸びる道はそれだけでどこか神秘的


見上げれば街灯たちが

ついていたり

そうではなかったり

今は夜と朝の狭間


車たちもまばらだよ

目の前にはどっしりとした山々が

頂上の少し白くなったそれぞれが

まるで遠くから僕を見下ろすみたいに


時間に余裕を持たすため

今日も朝一番にドアを開けるのか

あせる必要はないけれど

少しのスキマもないくらいの気持ちで


車たちは法定速度を無視して走ってる

信号も寝息を立てている今なら大丈夫だよね

原付の法定速度なんて守るほうが難しい

それでもほらメーターの壊れる前は気にはしていたんだよ


静かに空が染まっていく

目的地にも近付いていく

決まってそれはコンビニで

今日の分のお弁当を用意するために

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