小さな灯火
ゆらゆらと揺れる炎
小さな灯火
ロウソクの火
わずかな風で
ゆれる
ゆれる
ゆらゆらと
ゆれる
絶えず上昇するその姿は
いつか空へと還るたましひのよう
常に昇る
最後まで昇りきる
自分の身を焦がし
自分の存在全てを炎に変えて
燃える
燃える
ゆらゆらと
常にゆれ続けながら
そして最後には何も残らない
消滅の美学
消失の哲学
まるで最初から何もなかったみたいに
初めに熱があった
同時に光が産まれた
それら全てを連れて行った
ゆらゆらと
風に揺れて
とても儚いもの
とても脆いもの
そして
とても強いもの
カタチを変えてしまうもの
知恵の実を食べた人は
最初に炎を手にした
炎はやがて人に繁栄と破壊をもたらした
最後の引導を渡すために
神は人に炎を与えたのか
今はまだ分からない
人の道は人が決めるもの
いつか未来の誰かがその答えを出すだろう
ゆらゆらとゆれ続ける
とても暖かい小さな炎
それは僕らの胸の奥のたましひのように
常に小さな風に翻弄され続けている
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