第12話:「ストーリーの書き方」の続き

「ストーリーの書き方」Botはその後も続いているので、幾つか選んでここに紹介したい。



 恐らく、アマチュア作家の書くもっともありふれた「意外な結末」は、ある重要な事実を読者からわざと隠しておき、最後にそれを派手に開陳するというものだろう。この手の企みに対する読者の通常の反応は、著者の厚かましさへの冷たい怒りである。(ローレンス・ブロック)



 ストーリーが半分できあがったなら、あとはそれ以上話を込み入ったものにしないで、もつれた糸を解きほぐしていくことだ。(G.ガルシア=マルケス)



「あなたはその題材に感動しているのか?」これが本質的な問題である。もし、その答えがイエスなら、これからなすべきことは、見る人にも同じように感動を与えるように、がっちりと固めていくことだけである。(ドルーテン)



 異常な出来事の直前に平凡な事柄の描写を置くと、後の出来事が一層際立って見えるものだ。(小林勝)



 物語の構造上、何ら意味を持たないように思われる具体的な些細な事実の描写は、語られていることが真実だということを意味している。(ロラン・バルト)



 残念ながら、子どもたちは「描写」のところで読むのをやめてしまう――何かが物語の重要な一部として描写されている場合は別だが。(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)



 疑問めいた展開になると、すぐに「どうして?」というセリフを書きたがる人がいます。このセリフが出るとすぐに理由を言わなければならなくなり、会話が弾みません。興味をひっぱる為にも出来るだけあとのほうで言わせるような工夫が欲しい。(出典:シナリオへの道)



 プロの作家ともなれば、技巧によって「凄味」を出したりもする。理解不能な人物を登場させたり、舞台設定をあやふやにしたり、ここから先はわからないのだということを強調したり、つまりはその作品世界の底の知れなさを読者に感じさせる。(出典:創作の極意と掟)



 落語っていうのは他の芸能とは異質のものなんだ。どんな芸能でも多くの場合は、為せば成るというのがテーマなんだな。一所懸命努力しなさい、そうすれば必ず良い結果が出ますよとね。でも落語はね、逃げちゃったやつが主人公なんだ。(立川談志)



「書きたいもの」に飛びつかないこと。「書きたいもの」と「書きたいこと」とは丸でちがう。「書きたいもの」としてだけで書くのであれば、ただのお話にしかならない。(河野多恵子)



 気に入ったものが書けたら、それを徹底的に書き直すと良いと思います。初心者のうちは書き直しがすべてです。漫然とあちこち書き散らすのではなく、局地に集中して我慢強く仕事に励むこと。そこからきっと自然な何かが出てきます。(村上春樹)



 映画は、五つのシーンが良いシーンで、他の時間客をイラつかせなければそれでいい。(ハワード・ホークス)

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