禁戒の首輪〜Forbidden Choker〜

明鷺けいすけ

第1話 大樹の下の出会い

 僕がその人に出会ったのは、小さな村のはずれにある森の大樹の下だった。


 僕は毎日、剣の素振りをこの森でやっている。この大樹の所は森の深すぎないところにあり、空気がきれいで僕のお気に入りな場所だ。ここにいるだけで気分がとても良くなる。大体の悩み事はここに来れば晴れる。


 そんな僕以外は誰も知らないようなところに、その人はいた。

 髪の色は白く、綺麗な肌はその髪をさらに美しく引き立てた。

 歳は僕とそう変わらないだろう。こんな子供がこんな森を1人で歩いているはずが無い。どこかに親がいるはずだ。

 僕はお父さんやお母さんにあったことがない。名前も知らない。

 でも、きっとこの子には…

 しかし、親らしき人物は見当たらない。まさか。僕は話しかけていた。

「君はどこから来たの?父さんや母さんはいないの?」

 と。すると彼女も声を出した。

「私は、独り。どうしてここにいるのかも、わからない」

 そう答えた。そうか、この子は独り。家族はいない。その点では僕と同じもしれない。けれど僕には村のみんながいる。村のみんなは僕を受け入れてくれている。ならば、僕とおなじ家族のいないこの子を連れていってもみんなは受け入れてくれるだろう。

「あの、もしよかったら僕らの村にこない?きっとみんな受け入れてくれるよ」

 そして、

「僕の名前はカルム。

君の名前を、教えてくれるかな?」

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