名探偵くん!

宙野 実来

プロローグ

 2038年。首都から少し離れた小さな町、空雲そらぐも町に、ある一人の探偵が現れた。科学技術が発達し、どの家庭にも自動防衛システムが取り付けられたことにより、空き巣狙いや強盗などの事件はめったに起きなくなった。そんな時代に、探偵を名乗る者が出てきたのは異常なことだった。


 しかし、いくら防衛システムがあっても、システムが守るのは家の中だけだ。屋外でならば、どうしても事件や事故は起きてしまう。その探偵は、まだ子供でありながら、次々とそのような事件を解決していった。いつしか、その少年探偵は『名探偵くん』と呼ばれるようになった。


 『名探偵くん』の名が世間に知れ渡ってから、彼の正体を知ろうとする人が多くなった。そのように、世間の好奇心が高まる一方で、『名探偵くん』は全くその正体を明かさず、彼が現れてから二年経った今、『名探偵くん』の正体は空雲町の七不思議になっていた。

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