私たちの課題
私たちには課題がある。
結婚について、セックスとデートのマンネリについて、スキンシップと愛情表現について。
1.結婚について
私は結婚したい。
結婚の第一目的は子供が欲しいからだ。自分の体力的に30代前半で出産したいので、30歳前後で結婚したい。
結婚の第二目的は社会の目だ。だから子供を産まない場合でも、結婚したい。私は世間に「かわいそう」と思われたくない。だからとっとと結婚したい。その場合は事実婚でもいい。
結婚の第三目的。これは最近考えていること。君との関係を確定的にしたい。”妻”になってしまえば、簡単に別れられない。結婚という制度で君を縛れば、少しは安心できるかもしれない。
でも君は、結婚なんて考えらえないと言う。私はそれまで知らなかったが、君の仕事は今とても大変らしい。確かに話を聞くと、とてもじゃないが結婚について考えらえるような状態じゃなかった。まるっきり態度に出さないので、全く気づかなかった。
だから私は30歳までの”君との結婚”を取り下げた。もし、”誰かとの結婚”が”君との恋愛”よりも優先順位が上がったら、私は他の男を探すことにする。
そもそも私が迂闊にも結婚の話題を出したのは、君が結婚を考えるタイプの男性だと思っていたからだった。元カノと結婚を考えていたというエピソードによるものだ。
だからまあ、今、結婚したくない言い訳ではなく本当に仕事が大変な状況だと理解したので、とりあえず様子見を決め込む。
2.セックスとデートのマンネリについて
最大の課題はこれだった。特にセックス。
a.セックスレス
君が直近の元カノ2人と別れた理由はセックスレスだった。レスになってしばらく経つと、一緒にいるのが楽しくても付き合っている意味はないと結論付け、別れを切り出すらしい。”一緒にいるのが楽しくても”ダメなんて、なんてシビアなんだろう。
一方私は、元カレたちとも何度かセックスレスになったことがあるが、3ヶ月くらいノーセックスの関係を続け、いつの間にかレスが解消されているパターンが多い。
セックスレスになったら即終了、ということに私は怯えている。
悠長に待つという選択肢も、レス解消のために議論を尽くすと言う選択肢も、私には与えられない。
セックスがマンネリになり、君の興奮度が落ち始めたとき、私はいくつかの提案を用意した。アングライベントへの参加やソフトSMへの挑戦、大人のおもちゃの使用。少しズレている私の提案を君はちゃんと一緒に試してくれた。だけど特に効果はなかった。
b.セックスのマンネリ
直球法を試すことにした。ちゃんとセックスについて会話をしたいと伝えた。それなりに知力のある私たちは、きっと解決先を見出せると思ったのだ。
でもこれは、思っていたよりも難しいことだった。恥ずかしい。そして君は具体的な要求や不満があるわけではなく、仕方なしに会話に付き合ってくれているようだった。この恋愛に対する執着が私より弱いから、解決してもしなくてもいいのかもしれない。
セックスの技術が私にはない。スタイルも良くないし胸も小さい。彼の元カノにはキャバ嬢もAV女優もいるので、私はさぞ抱き甲斐が無いんだろうなと思っている。
c.オーガズム
元カノたちはちゃんとオーガズムを得られるタイプの女性だったことも相まって、イきづらい自分の身体の不甲斐なさに落ち込む。
イかせようとしてくれるのはとても嬉しいが、プレッシャーにもなりうる。でも、正直イってみたいという気持ちもある。
そこで”大人のおもちゃ”を使用したいと言ったことがあった。相手の労力を削減し、短時間で快感を得られる方法だと思ったのだ。君は忘れているのか、実現されない。とても勇気を持って告げたのに。
でも大人のおもちゃについては、相手が使いたいなら使うことは構わない、と言ってくれたのは安心した。
一方君は、射精へのプレッシャーがある。"タチ不安"。途中で萎える前にどうにか挿入し、射精まで終わらせたいのだと思う。だから前戯は性急だ。
仕方の無いことだと思うが、私はそれに不満がある。ただでさえスキンシップはセックスのときしてくれない君が、それすらおざなりになったら私はいつ君に触れてもらえるのか。
d.口淫
口淫について、君は嫌悪感を持っている気がする。昔、自分がシャワーを浴びる前にされるのは論外だが、相手が歯磨きをしていない場合も抵抗があると言っていたのを思い出す。とはいえされるのは特段好きではないが嫌いでもないのだと思う。
私はして欲しいと、どうしても言えない。絶対に、言えない。
e.キス
君はディープキスがあまり好きではないことがわかった。我を忘れて貪るほど、相手を喰べてしまいたいと思うほどのキスを、私はされてみたかった。
これらの問題は、まだ解決していない。
f.デートのマンネリ
アスレチックや小旅行に行ったり、家で2人で食事を作ったり。いろいろ試したが、そもそも私はマンネリで構わないタイプなのでよくわからない。
3.スキンシップと愛情表現について
これはもう、諦めた。
君は『好き』と言ってくれない。言わなくてもわかるし、言うタイミングがわからないという意見だ。私に触れたいと思うこともないから、君が私に手を伸ばすのは、セックスの時だけだ。
さすがにこれだけ逢瀬を重ねていれば、君が私を好きだということは理解している。でも、君の態度から判別できるのは”それなりに好き”というだけだ。
愛おしくて触れたくなるほどには、堪らなくて『好き』と言いたくなるほどには、君は私を好きじゃない。
この話は突き詰めれば愛の総量の話になってしまうから、私は深掘りしないことにした。消耗するから、好きというのもやめた。
なんかもういろいろ疲れてしまった。でもここで私が距離を置こうなんて言おうものなら、そのまま自然消滅するのは目に見えている。
私のことが大好きでたまらない人と付き合いたいが、それが幸せで無いことを私はもう知っている。
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