上司の椅子が偉い?ー職場の心得
先輩から、上司になるときの心構えを教えられた。
上司が偉いわけじゃない、上司の座っている椅子が偉いのだ。だからしかられてもいじめられても椅子がしていると思えば気が楽だとも言われた。上司に人格を持つから気落ちしたり悩んだりする。また、椅子にお世辞を言ったり、ヨイショしていると思うと落ち込んだりすることもないと言われた。
だから上司になっても自分が偉くなったと勘違いするな、座っている椅子が偉くなったのだと思え、部下が頭を下げるのは自分に頭を下げているのではなくて、上司の椅子に頭を下げているのだと思えと言われた。
確かにその椅子に座れるようになったのは本人の能力と努力とがそうさせたに違いない。だから、その椅子に座れるようになったのは偉い。ただ、その上司の人格が必ずしも優れているわけではない。人格が優れているから偉いわけでもない。偉いから人格が優れていることもない。
その証拠に上司が退職するなどして、直接の関係がなくなると久しぶりにどこかで会ってもわざわざ頭を下げることなどしなくなるし、表面的な挨拶で終わる。それは上司の人格に頭を下げていたのではないからだ。やはり、椅子に頭を下げていたからだ。
上司を椅子と見るとその上司の人格を客観的に見ることができる。辞めてからも敬意を払われる上司はやはり人格が優れていたからだと思う。自分を親身になって育ててくれた上司にはいつまで経っても自然と頭が下がる。
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