第96話 楽なの?

「結局、セフレって楽なんですよ」

 20歳のバイトを2人で深夜のシフト。

「セフレが楽なの?」

「彼氏っていうと面倒くさくなるんです、セフレって楽です」

「そういう考え方なのに、なぜに彼氏を欲しがる?」

「独りは寂しいです、誰でもいいから一緒に寝て欲しいんです」

「誰でもいいって考え方がセフレになっちゃう理由だな」

「そうなんです、寂しくなると手がチョンッと触れただけで好きになるんです」

「病院行け」

「やさしさが欲しいんです」

「じゃあセフレ脳を治せ、セフレ枠に優しさは与えられないから」

「でも、する前までは男は優しいじゃないですか」

「それは偽りだ、見抜け」

「やさしくされたいんです」

「アレだ、彼氏が欲しいんじゃないんだ、恋愛したいだけなんだ、その過程を面倒くさがって、すっ飛ばすからセフレにスポンッと落ち着くんだよ、恋するとこから始めろ」

「そうなんですかね、うん、恋はしたいかも」

「寂しいー!!で男に着いていくからダメなんだよ、好きになるところから始めろ」

「そうします…」

「頑張れ、そして清掃に行くぞ」

「はい」


 困った娘なのである。

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