第1553話「教育の場」
午後二時の公園。
風船が現れた。
風船は木の葉(一般人の想定する樹木の葉を指す言葉。緑色で薄く、木に生えている)よりもずっと軽やかであり、あたかも意志を持っているかのように漂い、時折木々や花々にふれては弾んでいく。周囲の人々は、その風船の動きに心を奪われ、皆揃って微笑んだ。子供たちが風船を追いかけて走り、空に向かって手を伸ばす姿は、まるで夢を追いかけるかのように美しかった。風船はいつの間にか人々から遠ざかり、空の青に溶け込んでいく。どこか寂しい気持ちが押し寄せるが、誰もが風船と共に過ごしたひとときの幸せを胸に刻むのだった。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で風船を撃ち抜いた。
幸せだけを抱いて生きていくことはできない、と人々は学習した。
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