第1430話「感想文」

午後九時の夏休み最終日。

小学生が現れた。

読書感想文はSNSでの自分語り(一般人が想定する子供の頃に行っておくべき課題の一つを指す言葉。未経験だと拗らせる)よりもずっと文章を整えなくてはならず、どうして書いている内容は大差ないのにここまで難易度が変わるのかと小学生は頭を悩ませていた。悩み抜いた末、答えを見出した。大人だ。大人に見せるからこうも悩んでしまう。すべては大人が悪いのだ。小学生はペンを振りかざし、大人の頸動脈に突き刺して殺害した。原稿用紙には、気持ちよかったです、とだけ書き殴った。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で大人を蘇らせた。

感想文は小学生の支持を得、全国コンクールで入賞した。

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