第1418話「人手」

午前十時の身体。

頭痛が現れた。

鈍い頭の痛みは体調不良での休暇申請(一般人が想定する従業員が持つ権利を指す言葉。社畜だと許可が下りない場合もある)をするよりもずっと軽いものだったので、普通に出勤はしていたものの、作業効率は悪いわ時間経過とともに症状は悪化するわでこれだったら休んでいた方がいいくらいだった。しかしいくら効率が落ちるとはいえ、猫の手も借りたいレベルで忙しいところに人員に穴を開けるのは避けたいという部署の事情も理解していた社員は、頭痛薬を飲みつつなんとか作業を継続していた。そうしているうち、頭痛どころか寒気、眩暈まで出始めた。午後から休んだ方がいいのではないかと真面目に考えていた折、突如として職場の敷地に未確認飛行物体が降下、銀スーツを着た謎の存在が姿を現した。謎の存在は冥王星人を名乗り、続いて社員たちに問いかけた。現在、身体の不調を抱えている者はいるか。その不調こそはお前が冥王星人である証。酷くなる頭痛。そして社員は思い出した、己が故郷とここに至るまでの悲しき事故。冥王星人たちは実は冥王星人だった社員を見出すと、故郷の星に帰ろうと提案した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で冥王星を破壊した。

人員が増えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る