第1338話「シミュラクララ現象」

午後二時のアルプス。

三つの点が逆三角に配置されているとクララに見えてしまうハイジが現れた。

ハイジは一面の青空(一般人が想定する美しい空模様を指す言葉。爽快な気分になる)よりもずっと小さく浮いた雲が気になっていた。三点浮いた雲を見ると、何故だかクララの顔に見えて仕方ないのだ。大好きなクララが空に浮いているので、追いつくには空を飛ぶしかない。自作した巨大ブランコを思い切り漕いで勢いをつけ、ハイジは空に飛び出した。空に昇っていく。クララに近づいていく。青空に浮いた巨大なクララ。このまま飛び上がって、クララにキスができたら昇天してしまうかもしれない。笑顔。笑顔。少女は上昇し、満面の笑みを浮かべたまま崖下に墜落死した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で都合により番組を変更してお送りしていますのテロップとともにボートを映した環境映像を流した。

伝説のアニメとして語られるようになった。

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